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眞邊明人【第9回】表情は最強のはなしかたの最重要ツール – プレゼンの鬼が教える話し方のコツ!眞邊明人の最強の話し方
【コラムジャンル】
コツ , ツール , トレーニング , はなしかた , プレゼン , 教える , 最強 , 最重要 , 眞邊明人 , 第9回 , 表情 , 話し方 , 連載 , 鬼
2016年11月07日
今回は「はなしかた」を支えるツールについて。「はなしかた」を鍛えてもそれを支えるツールが機能していなくては意図した効果が得られません。ぜひこちらも併せて取り入れてください。
元吉本興業のプロデューサーであり、新垣結衣や佐藤健のデビュードラマの監督であり、即興演劇のプロリーグ「アクトリーグ」を生み出したという異色の経歴の持ち主、眞邊明人氏。
売れっ子研修・講演講師でもある 眞邊明人氏に、いままでの研修や講演会をはじめ、様々な経験を通じて得られたことを元に、最強の話し方について語っていただきます。
どうしたら、あの人のように喋れるようになるのか?
あの人とこの人では、同じことを話しても全然違うのはなぜなのか?
最強の話し方を身につけるために必要なこととはなにか?
これぞ話し方の「ノウハウ」決定版です。
「はなしかた」を支えるツール
今までは、「はなしかた」そのものを強化するトレーニングや技術について触れてきました。今回は、「はなしかた」そのものというよりは、「はなしかた」を支えるツールについてお話したいと思います。
それは「表情」です。
「はなしかた」にとって表情はとっても大事なものです。「はなしかた」において「表情」は言うなれば、商品の「パッケージ」です。どんなに機能(はなしかた)がよくても商品のパッケージ(表情)に魅力がなければ、そもそも誰も手に取ってはくれないものです。それはとっても残念なことです。明らかな機会損失です。
これは日常でもよくあることです。やっぱり、表情の乏しい人は話していても楽しくないし、そういう人と過ごす時間はなるだけ短くしようと考えてしまいます。
成果の確立をあげるために
われわれにとっての最大の「報酬」は「時間」です。
魅力を感じる人や、楽しい人とはなるだけ「たくさんの時間」を費やしたくなるものです。これは「商談」であっても「オーディション」であっても「面接」であっても同じです。相手の「時間を占有」することができれば、成果はかなりの確率であがります。
そのときに重要なのが「表情」なのです。相手が向き合って「楽しい」と「理性」ではなく「感性」で感じてくれることが重要。「損得」という「理性」だけで判断されると、その関係は相手が「損」だと思った瞬間に切られてしまいます。「楽しい人」とはその案件がうまくいかなくても関係を維持していくことができます。要はチャンスの芽が残っていくということです。
「表情のマエストロ」
ワタシは行う研修ではそのための「楽しい」=「好感度」をアップするための「表情トレーニング」を徹底的に行います。そのトレーニングのご紹介の前にまずはテレビで勉強できる「表情のマエストロ」を紹介したいと思います。
それはタレントの勝俣州和さんです。
ワタシも番組で一度ご一緒しましたが、勝俣さんはまさに「表情のマエストロ」です。勝俣さんをテレビで見ない日はないと言っても過言でないくらい長く安定して活躍しているタレントさんです。勝俣さんは、バラエティや情報番組を中心に活躍されているポジションでいうと、いわゆる「ひな壇タレント」です。
「ひな壇タレント」とは、番組のテーマに合わせて(大体再現VTRや取材VTR)、コメントをしたり、リアクションをしたりするゲストタレントのことです。視聴者の目線にたって番組の進行をサポートしたりすることが目的です。また「ひな壇タレント」というのは「旬な話題のタレント」を起用するフレシキブルな枠のため本来は移り変わりが激しいものです。
ひな壇タレントを分析
その中で勝俣さんは実に安定して起用され続けています。それは勝俣さんが、博識であり、的確なコメントができる長いキャリアに裏付けされた実力があるのは勿論ですが、一番大きな理由は「リアクション」です。
よくテレビ番組で再現VTRや取材VTRが流れるとき、そのVTRを見ている出演者の顔が小さな画面で表示される(ワイプといいます)ことがありますね。勝俣さんはそのワイプに映る頻度がとにかく高いのです。
ワイプはタレントの表情しか映りません。そこにたくさん起用されるということはそれだけ表情が豊かであり、表情だけでそのVTRの価値を上げることができるということです。ワイプに映る勝俣さんの表情をよく観察してみてください。実にたくさんのバリエーションがあることに気づくでしょう。
勝俣さんは表情だけで、見ているVTRの内容を補足し、視聴者の反応を制作側の意図通りに導いてくれるのです。制作側にとってこんなありがたいタレントさんはそういません。ワタシも一度、フジテレビの特番でご一緒させてもらったのですが、勝俣さんの表情のコントロールには感嘆しました。
とにかく一切、油断することがないのです。常に視聴者と制作側の意図を繋ぐ意識を表情で表現されていました。まさにプロフェッショナルという言葉がぴったりです。勝俣さんが引っ張りダコな理由がよくわかりました。
そんな勝俣さんにリアクションを盗んでみましょう。
リアクションを盗む
「盗む」とは「真似する」とこです。「盗む」というとちょっと難しい感じがしますが、「真似する」というと簡単です。ただひとりの時にやらないとちょっと恥ずかしいですが。。方法は実にバカバカしく簡単です。勝俣さんが出演している番組を録画して、勝俣さんの表情を真似するだけです。真似するとわかります。いかに勝俣さんが顔の筋肉を動かしているかということを。
つまり人一倍、顔の筋肉の運動量が多いのです。たくさん働くのだから、評価が高い。わかりやすい理屈です。勝俣さんの表情を「真似する」と、顔の筋肉を鍛えなければならないことを実感すると思います。人の心を「つかむ」のは結局のところ「運動量」です。相手のためにいかに身体を使うかということです。
商品のパッケージは企画やデザインなどに「人の労力やコスト」を使うことによって商品の価値を高めます。人間の場合は相手のために身体を使う「運動量」なのです。もちろんそこには「姿勢」や「みだしなみ」なども含まれます。その中でも「表情」は相手の視覚に直接訴えるものなので効果が絶大なのです。自分のためにたくさんの「労力」をはらってくれる人を人は大事にするものです。
また、相手のリアクションを引き出すために、自分の表情を「動かす」ことをおぼえれば、「はなしながら自分が聞き手の表情をつくり、相手を自分の思うリアクションに導く」なんて離れ業も可能です。
次回はこの表情のトレーニングにいて触れてみたいと思います。
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プレゼン、話し方に関する講演、研修などができます。株式会社先駆舎 代表/演出家 眞邊 明人 講師のプロフィールはこちら