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二ノ丸友幸【第3回】スポーツとビジネスを融合させ、語れることが最大の強み – スポーツとビジネスを融合させた人材育成 – ノビテクマガジン イチオシ講師
スポーツとビジネスを融合させた人材育成 - ノビテクマガジン イチオシ講師
「まずは育つ環境をつくることが大事」
強豪校やトップリーグでラグビー選手として活躍した後、U17・U18ラグビー日本代表コーチを歴任した経験を持つ、二ノ丸友幸氏。実は、その輝かしいキャリアは同氏が持つ“ほんの一面”に過ぎない。所属企業であった株式会社クボタでは管理職にまでのぼりつめ、2016年に独立。企業経営者であり、12チームとコーチ契約を結ぶコンサルタントであり、人気講師でもある。複数の顔を持つ二ノ丸氏だからこそ伝えられる、スポーツとビジネスを融合させた人材育成のあり方とは。デュアルキャリアの体現者である二ノ丸氏の魅力に迫った。
猪俣 奈央子 ≫ 文 櫻井健司 ≫ 写真
(※本記事は、2019年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
スポーツとビジネスを融合させ、語れることが最大の強み
二ノ丸氏が企業研修や講演、ワークショップなどの講師業でも人気を博している理由。それはスポーツ選手やコーチ業で培われた豊富な経験もさることながら、「ビジネスパーソンの現場を知っている」ことに起因する。
業界大手である株式会社クボタに入社する時から「スポーツ選手だからといって半端な気持ちで仕事をしたくない」と考えていた。最終面接では「選手としてだけではなく、ビジネスの現場で通用するかを含めて採用の判断をしてほしい」と伝え、ラグビー選手では初の法務部門に配属された。トップリーガーを務める傍ら、イチからビジネス法務を学び、資格を取得。弁護士と連携しながら社内紛争の解決に向けて動いた。15年勤めあげ、最短での管理職昇進も果たしている。「クボタに勤めていた時に、受講者としてたくさんの研修を受けました。ですが、正直な話、面白いと思える外部講師になかなか出会えなかった。どこか理想論というか、教科書的というか。いい話を聞けたとは思えても、ビジネスの現場では通用しないだろうと感じることも多かったんです。会社員の気持ちが分かるからこそ、私が企業研修を行うときには、明日から実践できることを教えられる講師になりたいと思っていました」
一方、日本ラグビーフットボール協会のリソースコーチとして主にユース世代の日本代表関連の育成、強化に従事している。また、全国屈指の強豪校である御所実業高校などでコーチ業も手がけている。特徴的なのは、一つのチームに所属するのではなく、複数のチームとコーチ契約を結んでいる点だ。監督の参謀役として年間のプランニングから練習メニューの細部に至るまで戦略を練っていく、業界では異例のラグビーコンサルタントだ。
「スポーツとビジネスを融合させて語れることが、私の特徴であり、強みだと思っています。ラグビーコーチに指導する際にはビジネス現場の話を、企業向けの研修ではあえてスポーツ現場の実例をお話することも多いです。たとえば、ラグビーにおいて重要な主体的に行動できる人材、自考動型人材の育成法については、企業の関心も高いです。ラグビーの現場では”試合前の普段の練習から選手が主体的に行動できる環境をどのようにつくっているか””裁量を与えることで、選手にどんな変化が生まれるか”という点を、実例を交えてお話ししています。企業の管理職からよく若手が育たないという声を聞くことがありますが、個人的には部下を育てようとするのではなく、まずは育つ環境をつくることが大事だと考えています。もちろん、私がお話しする話がすべて正しいというつもりは毛頭ありません。ただ、”分かっているけれど出来ていない”という事実に気づいたり、社内に変化が生まれる”きっかけ”をつくれたら、という想いで取り組んでいます」
背伸びをせず、等身大の自分で、人とのつながりを大切にしていきたいと語る二ノ丸氏。理想とするのは、何でも気軽に相談できる、いつでも本音で語り合える”身近なお手本”だ。
「あいつにできるんなら、俺にもできるだろうと言われる人になりたい。そして、複数のチームでコーチングができるのも、企業研修ができるのも、すべて人の繋がり、人からのサポートのおかげです。この”おかげさま”の気持ちを忘れず、常に自分の足元を見ながら、等身大の自分を体現していきたいですね」
と語る姿に、あたたかい人柄が垣間見えた。
二ノ丸友幸 – スポーツとビジネスを融合させた人材育成 –
ノビテクマガジン イチオシ講師(了)
講師紹介
二ノ丸友幸(にのまる ともゆき)
プロラグビーコーチ。1979年大阪府生まれ。名門「啓光学園中学・高校(現、常翔啓光学園)」「同志社大学」に進学し、ラグビー選手として活躍。大学卒業後、ジャパンラグビートップリーグ「クボタスピアーズ」でトップリーガーとして選手生活を送り、2006年に引退。引退後も、株式会社クボタに在籍し、企業法務や広告宣伝(企業ブランディング)業務に従事する。2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチとなり、U17・U18ラグビー日本代表コーチを歴任。2016年に約15年勤務した株式会社クボタを退社し、企業内人材育成研修事業やスポーツコーチング事業を主に展開する「Work Life Brand」を設立。企業研修や講演活動を精力的に行う傍ら、全国屈指の強豪チームである御所実業をはじめ全国12チームとコーチング契約を結び、多方面に活躍している。
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企業内人材育成研修事業やプロコーチング事業を主に展開する。公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 リソースコーチ/Work Life Brand 代表
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