働き方・生き方
北村まり【第9回】パフォーマンスを保つために身体からメンタルヘルスを整えよう – 研修講師リレーコラム
北村まりプロフィール
北村 まり(きたむら まり)
プロ研修講師。
精神保健福祉士。精神科病院勤務後、EAP企業ヘ入社。働く世代の心と組織の健康づくりに携わる。現在、カウンセラー及び研修講師として活動中。新入社員から社長まで企業人として役立つメンタルヘルス研修を実施。管理職向けラインケア、一般社員向けセルフケア、ハラスメント研修等を行い、わかりやすい!疑問が解ける!と好評。
パフォーマンスを保つために身体からメンタルヘルスを整えよう
現代のストレス事情
昨今メンタルヘルスという言葉は日常的な言葉となり、誰もが〝ストレス″や〝うつ″という言葉を用いる時代になりました。厚労省の調査では、仕事において強い悩みやストレス等を感じる労働者は5割を超え、精神科の受診患者数も年間300万人を超えています。
皆、健やかでありたい、幸せでありたいと願っているのに、ストレス社会という言葉は私たちを追いかけてきて離しません。
では、そんな私達は、ストレスに対して全く非力なのでしょうか?実はそうでもありません。少しの工夫で誰でもメンタルを今より強化できるのです。今日は、その秘訣を少しお話したいと思います。
『心身一如』を理解する
ストレス耐性を向上させるには主に2つのルートがあります。
1つは心へのアプローチ。それは、ストレスで重くなった心を趣味で発散させたり、信頼できる人に相談して救われたり、また自分の心に向き合いストレスを溜めにくい思考方法を模索する事などです。
そしてもう1つのルート、それが今日ご紹介する身体そのものへのアプローチです。
近年一見元気そうな方でも、いつもだるい、気力が湧かない、すぐ不安になる、些細な事でイライラすると訴える方が多く見られます。それらの方に共通する事は何でしょうか?それは睡眠、食事、運動の課題です。勿論仕事のプレッシャー等心理的な要因もありますが、それらの問題の有無に関わらず、ほぼ共通している事は睡眠、食事、運動の偏り、すなわち生活習慣の乱れなのです。そのような方々にまず規則正しい生活を1ヵ月送って頂くとどのような変化があるでしょうか。遅くとも23時~0時前に就寝する。起床後はカーテンを開け、手軽な物でよいので何か朝食を摂る。昼食・夕食は定食類を中心とする。そして帰宅時に30分程度歩く。およそ1ヵ月後再びお会いすると、表情が豊かになり話し方もハキハキと変化しています。ご本人達も「頭がスッキリした」「不安を感じにくくなった」「やる気が出てきた」等と変化を自覚できるようです。
日頃の不調を“いつものこと”となおざりにし、気持ちだけで乗切ろうとしても、却って余計な労力を使ってしまうかもれません。
私は研修を通じて、忙しい現代のビジネスパーソンに心身を整えるツボを伝えていきたいと思っております。最高のパフォーマンスを出すためには・・・。一度心身整えることを考えてみませんか?
(※本記事は、2016年7月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)