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和田尚子【第30回】”感じがいい”はビジネススキル – 研修講師リレーコラム
和田尚子プロフィール
和田 尚子(わだ なおこ)
研修講師
三井ホーム株式会社を退社後、プロダクション所属アナウンサー、企業内研修講師を経て、企業研修講師として独立。実習を取り入れた体験型研修を得意とする。受講者を夢中にさせ、前向きに懸命に考える場を作り出す研修、〝現場でやってみよう〟と思わせる意識醸成、一人ひとりの中にある「その人らしさ」「その人の良さ」が行動の軸となるよう育成するスキル向上の研修に定評がある。実施した研修は総じて、受講者・クライアントからの評価が高い。モットーは、『受講者の背中を押す』
(※本記事は、2022年1月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
“感じがいい”はビジネススキル〜笑顔と伝わるコミュニケーション
私は、研修講師として新入社員研修、チームビルディング研修、OJTトレーナー研修、階層別研修など、様々なテーマで研修を担当しております。どのテーマでも共通の課題として挙がるものの一つに「人間関係構築スキル」があります。
「上司や先輩と上手く話せない」「トレーニーの本音が見えない」「1on1が苦手」「部下との距離感が分からない」「苦手なタイプとうまく関われない」など。立場や世代を問わず、他者とどのように関係を築いていくかは悩みのタネになりやすいものです。
その悩みの要因は、「コミュニケーションのズレ」によるものです。価値観・経験値・背景・思考の癖といった、人によって全く異なる判断基準・解釈があることでズレは生じます。
私の研修では、その「コミュニケーションのズレ」を実感していただくワークを行っています。自分では「相互理解が出来ている」「しっかり伝わった」「情報共有が出来た」と思っていても、チーム内でワークの振り返りを行うと「★だと思った」「え、△でしょ」「◇って言ってたよね」と人によって認識に大きなズレが生じていることに気づきます。そうした誤解や思いこみが重なると違和感が残り、相手との関係にもマイナスの影響を及ぼします。
こうしたコミュニケーションのズレをも乗り越え、より良い信頼関係の構築・相互理解を深めるのが、〝感じがいい〞と思われるコミュニケーションスキルです。「この人とは気持ちよく仕事が出来る」「対話すると新たな気づきがある」「また一緒に仕事がしたい」「この人とは〜したい」と思っていただけるかどうか、このスキル次第で相手の印象は大きく変わってきます。
〝感じがいい〞は、あいさつをする、感謝を言葉にする、相手を尊重する、向き合って聴く、共感や反応を示す、前向きに取り組むなど、社会人基礎力や人間力と言われるような当たり前のことを着実に実行することで身につき、作ることができます。その中でも、効果が高く大切な行動が二つあります。
一つは〝笑顔〞です。相手への敬意をこめて真っすぐ相手に笑顔を届けること。不安や自信のなさや緊張といった自分の中のマイナスな感情とも向き合い、関わる全ての人と笑顔で関係を築いていくことです。 もう一つ重要なのが、〝伝わる〞対話力です。考えや思いが形になるように言葉にする。相手が受け止めやすいように届ける。伝わったかどうか確認する。言ったつもりではなく、相手に伝わるまで伝えきること。これは、自分軸ではなく相手軸で考え行動する習慣が大切です。
私の研修では、受講生一人ひとりが自信を持って新しい一歩を踏み出せるためのサポートをしております。受講生に関わる際には、もちろん温かく前向きな関係を築きたい!という思いをこめた〝笑顔〞で。そして〝伝わる〞言葉で受講生の背中を押し応援いたします。