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小畑秀之【第29回】「部下を幸せにできる上司」を増やしたい! – 研修講師リレーコラム
小畑秀之プロフィール
小畑 秀之(おばた ひでゆき)
食肉メーカーから経営コンサルタント会社での営業を経験後、2004年に独立。2008年には株式会社そだてるを設立し、代表取締役に就任。リーダー研修や営業研修を中心とした人材育成と、中小企業の経営コンサルティング全般を行う。研修・コンサルティングのメインテーマは、「従業員が幸せになる会社づくり」。そのために、「従業員を幸せにできる〝会社づくり〟」と「仕事を通じて幸せになれる〝人づくり〟」に取り組んでいる。
(※本記事は、2021年9月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
「部下を幸せにできる上司」を増やしたい! 〜リーダー研修・管理職研修で伝えていること〜
私の社員研修の目的は「幸せな人」を増やすことです。そのために、自分自身の「幸せ」に気づける人や、主体的に行動できる人を増やすことに注力しています。特に、リーダー・管理職の思考や言動は、部下の人生に大きな影響を与えます。したがって、まずは多くのリーダー・管理職に対して研修を実施することが目的達成に向けた近道だと考えています。
私の研修では、カリキュラムの内容にプラスして毎回お伝えしている共通の内容があります。それは、「〝アンテナ〞と〝習慣〞で人生は変わる」というものです。
まず「アンテナ」についてですが、人間の体内にはそれぞれアンテナがあり、このアンテナでキャッチした情報だけが残ります。中でも重要なアンテナは、「美点」と「感謝」をキャッチするアンテナです。たとえば、他人と接しているとき、あなたのアンテナは他人の「美点」「欠点」のどちらを向いていますか? 欠点ばかりにアンテナが向いている人は、他人の良いところが見えません。さらに、自分自身の「長所」をキャッチできず、自分の足りない部分ばかりにアンテナが立ち、他人を羨んだり、自己肯定感が低くなりがちです。
また、「感謝」をキャッチするアンテナも重要です。周りには、感謝すべきことが山ほどあります。しかし、そこにアンテナが立っていない人は、そのことに気づきません。「部下がやってくれるのが当たり前」と思っている人は部下への感謝の気持ちが湧かず、そのことが部下への言動に表れているリーダー・管理職もいます。どうしたら「美点」や「感謝」にアンテナが向くのか。そういったことを研修でお伝えしています。
「アンテナ」に加えて重要なことが「習慣」です。習慣とは、無意識のうちにやってしまっていることで、「クセ」とも言います。「クセ」には「行動のクセ」「思考のクセ」などがあります。たとえば無意識のうちに他人と比べてしまったり、失敗を恐れて一歩踏み出せなかったり、「思考のクセ」が行動を邪魔していることもあります。しかも、無意識だからこそ、多くの人がそのクセ自体に気づいていないケースが多数見られます。
このように、私の研修ではスキルやノウハウといった「やり方」よりも、物の考え方や本質といった「あり方」に目を向けていただく内容を重視した研修を行っています。特にリーダー・管理職は、無意識のうちに部下を傷つけてしまったり、部下の退職原因となっているかもしれません。「幸せな人」を更に増やすために、まずは「部下を幸せにできる上司」をこれからも増やしていきたいと考えています。