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峯村真貴【第21回】日々の充実は自分を理解することから – 研修講師リレーコラム
峯村真貴プロフィール
峯村 真貴(みねむら まき)
グランディール株式会社 代表取締役/研修講師
大学卒業後、第一生命保険株式会社に入社。2000人以上のお客様を担当する中でコミュニケーションの重要性を実感し、学びを深めていく。やがて保険代理店の営業職として活躍する傍ら、大手研修会社の専属講師として約10年の経験を積む。2014年にグランディール株式会社を設立。現在20年の営業経験を活かしながら大手企業、中小企業、官公庁など幅広い分野で「女性営業研修」「キャリア研修」「後輩育成研修」等、数多くの研修に登壇。「現役の営業。だからこそ、伝えられることがある」現場感あるメッセージが受講者に受け入れられている。
日々の充実は自分を理解することから
私は、「現役営業の研修講師」として、約20年間保険営業の現場にいながら研修に登壇しています。営業研修や、キャリア研修などを多く担当していますが、その中でも若手社員向けの研修を実施していると、入社2年目ぐらいから徐々に仕事に楽しさを見いだせないメンバーに出会うことが多くなると感じます。
「なんだかわからないけれど、毎日しんどい」
「未来が見えない」
「ロールモデルがいない」
「いまやっている仕事の先に何があるのかわからない」
そんな声が研修中に聞こえてくると、”わかる、わかる”と自分自身の若手時代を思い出して共感してしまいます。どうして若手社員は、日々の仕事を楽しめなくなってしまうのでしょうか。そして、日々を楽しく過ごすためには何が大切なのでしょうか。
私も日々の仕事に楽しさが見いだせない「退屈状態」を何度も経験しています。同じ仕事を同じように何年もやっていると、退屈になってしまっても仕方のないことです。そんな状態から抜け出すときにとても役に立ったことは、”自分はどんな時に楽しいと思うのか? ” を考えたことでした。私は自分の新たな可能性が見えた時や、新しい角度で物事をみることが出来たときに喜びを感じる自分がいることを発見しました。
また、嬉しい、悲しいなど、自分自身の感情に気づき、寄り添ってコントロールすることも大事なことでした。日々を楽しく過ごすために大切なのは、自分自身のことを良く知ることだったのです。そしてこれは、キャリア形成やストレスマネジメントにも繋がっていました。
みなさんは自分自身がどのようなときに嬉しいと感じ、どのようなときに悲しいと感じるか、ちゃんと理解しているでしょうか。自分自身のことを理解するのは、そんなに難しいことではありません。仕事の知識が足りないことで自分自身に失望したり、忙しすぎて心がへとへとになってしまった時には、何が自分の心を疲れさせているか具体的に書き出してみてください。
知識であれば、どの知識なのかを明確にしてください。仕事に慣れ過ぎて退屈な気持ちになっている人は、退屈な理由を明確にしてください。たったそれだけのことでも、今まで気づかなかった自分が発見できます。人は昨日の自分より、今日の自分に成長を感じると充実した気持ちになると言われています。そのことに気づいていただくために、私が実施している研修ではチクセントミハイ博士の「フロー理論」を用いて、自分自身と向き合ってもらっています。
いま世の中の働き方は大きく変化しています。どのような状況であっても、その変化を柔軟に受け入れて、そこに新たな可能性を見いだすことができたら、生き生きと活躍できる機会が増えると思います。そのためには、自分自身をしっかり把握し、自分の感情がプラスに働くような受け止め方ができることが理想的です。自分自身を良く理解し、自分が自分の一番の味方になることができれば、どんなこともチャレンジできます。
そんな新たな可能性を感じてもらえるよう、若手の方を始め育成のサポートを今後もしていきたいです。
(※本記事は、2019年11月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)