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眞邊明人【第3回】怒りはクリエイティブに変換すれば楽に生きられる – 怒りとの正しい付き合い方 ~アンガーマネジメントが組織を導く~
【コラムジャンル】
アンガーマネジメント , クリエイティブ , 付き合い方 , 変換 , 導く , 怒り , 楽 , 正しい , 生きられる , 眞邊明人 , 第3回 , 組織
2018年01月19日
怒りは“見せ方”次第。コミュニケーションにもクリエイティブにも応用できる。
「怒りの気持ちは笑いに変換することをお勧めします。ポジティブシンキングが無理でも、ネタにして笑い話にはできるはず。」
権利と平等の追求の果てに生まれたのは、本当に優秀な人しか生き残れない不公平な社会システムだという。怒りが充満しやすい現代社会で今、怒りの感情とどう向き合えばよいのだろうか。演出家、監督、作家、講師など、表現のプロとして多彩な顔を持つ眞邊明人氏が語る。
村上杏菜 ≫ 文 櫻井健司 ≫ 写真
(※本記事は、2016年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
怒りはクリエイティブに変換すれば楽に生きられる
では、相手に伝えるべきでない怒りはどう扱えばよいだろうか?ノートに書いて気持ちを可視化するのはよくある方法だが、眞邊氏流は”デスノート”。
「腹が立ったら相手の名前と正の字を書いていき、正の字が十に達したら心の中で裁くんです(笑)。もちろん自分以外に公開はしません」
だが、時はSNSが隆盛。承認欲求を満たすべく、簡単に人に共有してしまいがちだ。
「舞台や番組制作の現場で、スタッフがムカついたその場でSNSに投稿してしまうことがある。しかもそれがどんどんシェアされることで自信をつけ、注意しても『何か間違ったことしてますか?』と開き直る時も。その投稿が多くの人の目に触れる怖さを理解できない人が増えていると感じます」
タレントや芸人のマネージャーは、全てチェックすることでトラブルを避けているそうだが、一般の社会でもインターネットやSNSにおけるモラル・ハザードの喚起が急務だろう。そもそも、怒りを誘引しやすく溜め込みやすい時代背景があると眞邊氏は強調する。
「演出の現場から見ても、差別表現や暴力表現の規制が厳しくなり表現の幅が狭くなった。人間関係でもすぐにハラスメントだと言われますよね。会社も少し社員に無理をさせるとブラック企業と呼ばれてしまう。以前は徹夜したり休日出勤したり資料をたくさん読んだりして努力することで評価を得ることもできましたが、今は決められた就業時間の中で成果を出さなくてはならない。これでは決められた時間内で解いた試験の点数を競い、優劣をつける”学校”と同じ。平等と権利を追求した結果、努力でカバーできないという不公平が生まれています」
欧米では成果主義が一般的だが、休暇を多く取得したり早く帰宅したりする分、たまには徹夜で仕事をするなど自由な働き方の権利がある。日本の企業は猛烈な働き方をする権利を与えなくなったと眞邊氏は危惧する。
不満や不公平が生まれやすく、怒りが充満しやすい社会の仕組みの中で、この気持ちとどう付き合うべきなのか。
「怒りの気持ちは笑いに変換することをお勧めします。ポジティブシンキングが無理でも、ネタにして笑い話にはできるはず。僕も腹が立った時は『これ、何の刑やねん!』ってよく言います。芸人も怒りを芸の種にしますね。ただ、善意の塊みたいな人はきついと思いますよ、自分の価値観から外れたことは全部許せないから。なので、ちょっと悪意があるくらいの方が、嫌なことがあった時に『どうやって料理してやろう』と幅を持てるので楽です。怒りをクリエイティブな方向に持っていけるのが理想ですね」
眞邊明人 – 怒りとの正しい付き合い方 ~アンガーマネジメントが組織を導く~(了)
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