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谷本道哉【第1回】70歳まで、元気に働く自信はありますか? – 筋肉貯金で長くたくましく働ける体を作る
筋肉貯金で長くたくましく働ける体を作る
「筋肉は鍛え方次第で何歳からでも増えていきますよ」
NHK『みんなで筋肉体操』の指導者谷本道哉氏に直撃インタビュー!俳優の武田真治をはじめマッチョな人が5分間ひたすら黙々と筋トレに励む様子が話題になったNHKの『みんなで筋肉体操』。その監修を務め、指導役としても出演している谷本道哉氏が、現代ビジネスワーカーに筋トレが必要な理由とその魅力を教えてくれた。
村上杏菜 ≫ 文 波多野 匠 ≫ 写真
(※本記事は、2019年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
谷本道哉(たにもと・みちや)
近畿大学生物理工学部准教授、日本オリンピック委員会医科学スタッフ、日本ボディビル連盟医科学委員大阪大学工学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国立健康・栄養研究所 特別研究員、東京大学 学術研究員、順天堂大学 博士研究員、近畿大学講師を経て現職。
専門は筋生理学、身体運動科学。「筋肉は裏切らない」で流行語大賞にもノミネートされたNHK『みんなで筋肉体操』、『あさイチ』などTVでも運動の効果をわかりやすく解説。著書に『筋トレまるわかり大辞典』、『スロトレ完全版』、『すごい筋肉貯金「ながら筋トレ」で死ぬまで歩ける筋肉を貯める方法』など多数。座右の銘は「人は変われる」。
70歳まで、元気に働く自信はありますか?
小学生の頃から筋トレを続け、現在は「やりたいことしかやっていない」と筋肉の研究に勤しむ谷本道哉さん。しかし高校卒業当時は筋生理学を専門とする学部がなく、工学部へ進学して建設系の企業で働いていた過去を持つ。
転機となったのは就職から2~3年後、ボディビルディングの専門雑誌に載っていた連載記事。東京大学の石井直方教授が筋肉の仕組みを生理学から説明していた。「自分がやりたかったのは、これだ!」と閃き、同大学の大学院に入学。その後いくつかの研究機関での研究員を経て、現在は近畿大学生物理工学部で准教授を務めるかたわらNHK『みんなで筋肉体操』の監修と出演をこなしている。
『みんなで筋肉体操』によって、筋トレに注目が集まっています。現代人に筋トレが必要な理由を教えてください。
谷本 以前は60歳でみな定年を迎えていました。今はその年齢がどんどん引き上げられ、働きたい人は70歳まで働ける企業もありますよね。しかし一般的に筋力は60代から急速に衰えていきます。筋力が衰えると日常の活動に支障が出ます。コードにつまずいて転んだりすることも。また、活動量が落ちて持久的体力も落ちます。定年まで元気に働くには若いうちから筋肉を貯金しておくことが必要なのです。筋肉は鍛え方次第で何歳からでも増えていきますよ。
働き盛りの世代に多い”メタボ”にも筋トレは効くのでしょうか?
谷本 筋トレですべてが解決できるわけではありません。メタボ系の疾患の予防には筋トレよりも持久系の運動が効きます。ジョギングやウォーキング、サイクリングなど。持久的な運動は強度が高いほど効果は高くなります。でも「そんな時間と余裕はない」という人は、日常の活動を高めることから始めてください。大股で少し速く歩く、階段を積極的に使う、といった心がけでも予防効果は少なからず得られます。このような持久系の運動をするためにも筋肉が必要です。持久系の運動と並行して筋トレをしたほうがいいでしょう。
長く健康に働くことのほかにも、筋トレを勧める理由はありますよ。筋肉がつくと、単純に見た目がカッコよくなります。男性は強く、女性は美しくなれるのです。
講師への講演依頼はノビテクビジネスタレントで!
TVなどでも運動の効果をわかりやすく解説している。近畿大学生物理工学部准教授 谷本道哉 講師のプロフィールはこちら