働き方・生き方
LECTURES AND TRAINING TRIVIA 講演・研修トリビア
【ドン小西講師 講演会レビュー】2015年8月
このコラムでは、ノビテク講演事業部隊として年間にたくさんの講師紹介を行っている、八波洋介がこれまで多くの講演実施に携わってきた自身の経験を活かし、講演のプロとしての視点で皆さまに講演会レポートをお届けいたします。
講演者の中には、様々なご経験とご実績をお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。
素晴らしい講演者の方々に共通して言えるのは、講演内容はもちろんのこと、話し方と自信に満ちた姿にあるとわたくしは感じております。
さて、今回は、多くのテレビ番組などでも活躍をされている、ファッションデザイナーのドン小西さんの講演についてお伝えいたします。
先日、中小企業の経営者200名を対象に 「経営者は『自分を知れ!』ドン小西流経営論」というテーマでお話しいただきました。ドン小西さんといえば、普段テレビ番組などで辛口なファッションチェックをされているイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は、ドン小西さんは大きな成功と失敗を経験された方だったということをご存じの方は少ないのではないのでしょうか。
講演会ご自身の経営体験、大きな成功と失敗まで、とても聴き甲斐のある濃密な70分間となりました。
ご講演開始の第一声は、「みんな、顔が固いなぁ」でございました。
参加者からは、その第一声で笑いが起こり、固く緊張感のある会場の雰囲気も温まり、そこから70分間、ドン小西節が繰り広げられました。
ドン小西さんは、31歳でブランド「FICCE UOMO」を起業なさいました。
皆さんは、このブランドをご存じでしょうか?
日本テレビ系列で放送されていた人気番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で、ビートたけしさんが来ていた派手なセーター、覚えていらっしゃいますか?実はあの服は、ドン小西さんのブランド「FICCE UOMO」のものなのです。その他も、海外アーティストのエルトンジョンやスティングなども着用されていました。
その結果、「FICCE UOMO」は急成長を遂げ、その勢いで、ニューヨークにもお店を出し、店舗が増え、ファッション関連の多くの賞を受賞され、最高潮期にはスタッフが150名いらっしゃったそうです。
しかし、流行のスピードが速いファッション業界、好調の波が続くわけではありませんでした。外部の景気状況なども重なり、企業運営が苦しく、150名いたスタッフも10名以下になり、ついにはご自身も家財を手放すほどの状況なってしまうという、辛い時期を経験されたそうです。
人というものは、こういった失敗のお話というのは、あまり人前ではしたくないのではないかと存じます。
しかし、ドン小西さんは、華やかな成功している時のことだけでなく、辛い失敗時期のエピソードまで、堂々とお話ししてくださいます。こういうお仕事をさせていただいておりますと、「成功談ではなく、失敗談を聴きたい」というお客様からのご要望を多くいただくことがあります。
失敗談を聴きたい、失敗からの気づきや学びを聴きたいという希望をお持ちの講演会には、ドン小西さんの講演を、ぜひお勧めしたいです。
ドン小西さんの講演会で、心に残った言葉は、「センス」という言葉です。
ファッションデザイナーとしての仕事に「センス」が重要なのはもちろんですが、それ以外にも、政治活動、企業(チーム)運営、スポーツ、恋愛でもなんでも、人間の五感を喜ばせることができる”センス”の重要性を語られていました。
センスとは、
・自分を知って、
・観察力を磨き、
・想像力を磨く
ことで、
・個性を作り
・見極める力が付き
・唯一無二の自分
になれるものだそうです。
わたくし自身、ドン小西さんのいうところのセンスをどれぐらい持ちあわせているのか・・・と考えを巡らしながら、お話をうかがっておりました。ご講演の最後は、主催者の会長様が両手握手で、お見送りをされていたのが印象的でした。
栄枯盛衰をご経験された方のお話は、やはり重みが違いますね。
以下、ドン小西さんの講演の特長でございます。
1、快活さ
2、歯に衣着せぬ語り口
3、経験からなる説得力
経営者の方から、若手ビジネスパーソンから、一般聴衆の方まで、幅広い方に向けて、様々な情報発信が可能なのだと、改めてドン小西さまの魅力を再発見した講演会でございました。ありがとうございました。