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坂本行廣【第4回】中竹竜二氏 最強のゴール設定術 – 【ノビテクマガジン倶楽部主催講演会】研修講師の書き下ろしreport
【コラムジャンル】
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2015年03月04日
益財団法人日本ラグビーフットボール協会/コーチングディレクター/株式会社TEAM BOX代表取締役 中竹竜二氏をお迎えした「最強のゴール設定術」の様子を研修講師 坂本行廣氏がレポートいたします。
坂本行廣(さかもとゆきひろ)
<人材・組織開発ファシリテーター/メンタルコーチ>
人材・組織開発コンサルティング会社で階層別教育など各種研修、組織風土改革、次世代リーダー育成プロジェクトなど各種プロジェクトの開発、実施に携わる。研修では、理と情のバランスを重視し、受講者が頭で理解し、心で納得することを心掛けている。2013年にプレイフルワークスを設立し、現在は仕事をプレイフルに楽しめる人材、組織作りに取り組んでいる。
ノビテクマガジン倶楽部が主催する講演会の様子を研修講師のわたくし坂本が毎回レポートいたします。
最強のゴール設定術
2月4日(水)、ノビテクマガジン倶楽部主催の講演会は、元早稲田大学ラグビー部主将(準優勝)、後に監督(優勝2回、準優勝1回)、現日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター 兼U20日本代表ヘッドコーチ 兼株式会社TEAM BOX代表取締役と複数の要職を兼務する中竹竜二さんでした。
輝かしい経歴ですが、実はラグビー部時代は3年まで補欠、監督の時はそれ以前にコーチの経験も無く、U20の時は代表経験も無かったという意外な経歴を披露されていました。中竹さんの「私は能力が無くてもトップをやってきました。能力が無くてもリーダーは可能です」という言葉は、中竹さんの経歴も相まって皆さんの心に強く響いたのではと感じました。
では、リーダーの条件は何かというと『スキル(技術)< スタイル(自分らしさ)』であり、正しい答えを探すのではなく、しっかりとした自分なりの軸を持ち、矛盾と向き合い、覚悟を持って進んでいくこと。リーダーが大切にすべき資質はレジリエンス(逆境に打ち勝つ力)。そして、リーダーも重要だが、フォロワーも同様に重要であるということを強く語っていらっしゃいました。
ドラッカーは「リーダーに関する唯一の定義は、つき従う者がいるということである」と述べていますが、中竹さんのリーダーの条件はまさにドラッカーの定義に合致しているのではと思いました。しっかりとした考えを持ち、困難があっても克服し進んでいく。その姿勢、考えにフォロワーが現れ、つき従っていくのであろう。ソフトバンクの孫社長も「自分を支える優れた将を最低でも10人、自分のために、場合によっては腕の一本、足の一本いらん、場合によっては命すらもいらないというくらいの志を共有するそういう将をどれだけ部下に持てるか。これが大将の器として山を引っ張れるかどうかというような事になる」と述べています。
『自分に心底惚れてつき従ってくれる人が何人いるか』
この質問がリーダーのリトマス試験紙になるかもしれないですね。
さて、今回のテーマ「最強のゴール設定術」についてですが、冒頭から
「皆さん、ゴール(目標)を持つことは大切だと思いますか?」
「では、今日は明確なゴール(目標)を持ってこられましたか?」
というちょっとドキッとするような質問から始まりました。その後は、
「100m走を早く走るためにはどうすればいいですか?」
『「100mを早く走るためには120mを目指して走る」ことが大切であり、これはゴールとビジョンの関係性と一緒です。つまりビジョンはゴールを突き抜けたものです』といったゴール設定に関する具体的な考え方、スキルを分かり易く教えていただきました。一例として、目標設定の5つの条件とは、
1. 具体的
2. 困難
3. ワクワク感
4. 期限
5. 主語
で、実は「Goal Setting」よりも「Goal Creation」の方が大切であり、作る際にゴールは具体的か、そもそもそのゴールにワクワクするかといった、当たり前ではあるが忘れがちなポイントを演習を交えながら楽しく学ばせていただきました。最後に、実際中竹さんが過去に設定したゴールとして、早稲田ラグビー部監督時代の2年目のゴール(1年目は決勝で敗れ、その後1ヶ月かけて作成したゴール)を披露されました。その内容は残念ながらここではお伝えできませんが、
「ほぉ~、なるほど~。確かに、このゴールは悔しい思いをした部員の心を揺さぶり、再び熱く燃え上がらせただろうな」
というゴールでした。他にも、質問の大切さ、目標設定だけでなく、共有、共感の大切さなどを演習、映像を活用しつつ学ばせていただいた、あっという間の1時間30分でした。やはり、実績を残してきた中竹さんの言葉はひとつひとつが重く、心に響きました。その影響か参加者の皆さんが一生懸命メモをとっていらっしゃったのが非常に印象的でした。
今回も刺激ある学びの機会をいただきありがとうございました!
いや~、学ぶって楽しいですね。
(本記事は、2015年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成いたしました。
記事中のご案内などは2014年取材時のものです。)