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【書評】ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える|内田和成 (著)|日本経済新聞出版社 – ノビテクマガジン編集部の本棚
【コラムジャンル】
ゲーム・チェンジャーの競争戦略 , ノビテクマガジン編集部 , 事業連鎖 , 八波洋介 , 内田和成 , 早稲田大学ビジネススクール教授 , 書評 , 本棚
2015年04月27日
内田和成先生の「ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ルール、相手、土俵を変える」
(日本経済新聞出版社)をご紹介させていただきます。
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ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える
内田和成 (著)|日本経済新聞出版社
内田和成先生の過去の書籍「異業種競争戦略」(日本経済新聞出版社)は、
増えている異業種からの既存事業への参入事例をパターンに分けて紹介し、業種を超えた企業競争の時代到来をリアルに伝えてくれました。
その流れを汲んでの本著です。
とにかく、企業・事業の事例分析が多く読み応えがあります。
漏れがあるかもしれませんが、取り上げらている企業・事業を並べてみますと、以下となります。
amazon、マイクロソフト、Google、IBM、ヒューレット・パッカード、NTTドコモ、ソニー銀行、任天堂、ザッポス、スタートトゥデイ、デンソー、パナソニック、マクロミル、QBハウス、spotify、セブンカフェ、リブセンス、コストコ、JINS,東進ハイスクール、青山フラワーマーケット、価格.com、オキュラスリフト、LINE、ネスカフェ、トリップアドバイザーセブン銀行、iPad魚屋さん、サンリオ、GoPro、タイムズ24、大和ハウス工業、アップル、セールスフォースドットコム、MOOCs、ゴルフ大ジェストオ・ンライン、俺のシリーズ、スーパーホテル、スタジオアリス、スルガ銀行、ヴィレッジヴァンガード、クスリのアオキ、ベアーズ、ブックオフ、コマツ、TTNコーポレーション、カメラのキタムラ、JR東日本、ヤマト運輸、ユニチャーム、ベルリッツ、ブリヂストン、ベンツ、富士フィルム、DHC、CCC など (順不同)
200ページ程度にもかかわらず、たくさんの事例があることがお分けりいただければよいかと思います。
そして、競争のルールを破壊する戦い方として以下の4つに分類しています。
1、相手の儲けの仕組みを無力化する”秩序破壊型”
2、顧客が気づいていない価値を具体化する”市場創造型”
3、新たな事業モデルをつくり出す”ビジネス創造型”
4、バリューチェーンを見直す”プロセス改革型”
どの事例が、どの戦い方をしているのかは本書をご覧いただきたいと思いますが、
理論が先行することなく事例が多いので、身近に感じますし頭に残りやすいです。
自社のサービスの立ち位置を見つ直すことはもちろんのこと、競合企業をはじめとした気になる
商品を、著内にある、「バリューチェーン(価値連鎖)」だけでなく、儲けの仕組みを捉える視点の
「事業連鎖(ビジネスチェーン)」という観点で分析するのも勉強になります。
”事業連鎖(ビジネスチェーン)とは、バリューチェーンよりも一段階大きな視点で、ビジネスの仕組みそのものを捉えたものです。バリューチェーンがひとつの企業の活動を機能(付加価値を生み出すプロセス)ごとに分解して示したものであるのに対し、事業連鎖は、ひとつの企業の活動だけでなく、業界全体に視点を広げています。”
-本文引用(60ページ)-
いまいち、伝わりにくいですね。
カメラという製品で、事業連鎖を考えるとわかりやすいかもしれません。
昔は、カメラ⇒フィルム⇒撮影⇒DPE(取次店)⇒写真という事業連鎖でしたが、フィルム内蔵付きの使い捨てカメラ、デジカメ、スマホという撮影機の進歩に伴い、
今は、スマホ⇒ウェブ上⇒写真という流れが、カメラ・フィルム業界で起きた変化です。
技術の進歩からもゲームチェンジ、ゲームのルールが変わってきているんです。
こういうことが、ゲーム業界や出版業界など多くの分野で起きていますよね。
そして、強い企業は、ルール、相手、土俵が変わっても知恵を振り絞って戦い抜いているのですね。
事業を飛躍させるために、そして、より強固な事業モデルを構築するために、
ぜひ、ご一読ください。
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ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える
内田和成 (著)|日本経済新聞出版社