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宇都出雅巳【第4回】はじめに(まえがき)をチェック – 速読勉強術のプロ まとめてグルグル10冊書評
【コラムジャンル】
10冊 , ダイヤモンド社 , ノウハウ , ビジネス本 , まとめてグルグル , リーダーシップ , 人材育成 , 仕事 , 仕事が楽しくなる!25のルール , 勉強術 , 大林伸安 , 宇都出雅巳 , 書評 , 本 , 第4回 , 速読 , 連載
2015年01月30日
『仕事が楽しくなる! 25のルール』を読んでみましょう -その2-
☆タイトル、目次、プロローグの次は「はじめに(まえがき)」をチェック
本の読み方ついでに、さらに読み方について新たな解説をします。
それは、目次のあとは「はじめに(まえがき)」を読むということです。
目次は本の内容・構造を素早く、効率的、効果的に知るための重要なツールですが、そこからすぐに本文に入る前に、おすすめなのが「はじめに」を読むことです。その理由は目次と同じように、「はじめに」には集約された情報、抽象化された情報になっているため、本の内容・構造を素早く、効率的、効果的に知ることができるからです。たとえば、『仕事が楽しくなる! 25のルール』の「はじめに」を読んでみると、最初に次のような太字の見出しが飛び込んできます。
“今、この場の環境”を何とか楽しいものにできないかと考える
「仕事」が“今、この場の環境”という表現なので、先ほど、目次のプロローグから読んでいった理解とはちょっとずれていますが、あそこでつかんだ著者が持つテーマが、いきなり出ています。
このように「はじめに」には、著者がその本を書こうと思ったそもそものきっかけや願いや目的がズバリと書かれていることが多くあります。そして、この『仕事が楽しくなる! 25のルール』ではPart1に書かれていましたが、「はじめに」で本の全体構成を説明している本もよくあります。
なので、目次のあとには「はじめに」を読むことで、本の核心、そして全体が一気につかめることがよくあります。
☆タイトル、目次、プロローグ、「はじめに」の次は「おわりに(あとがき)」をチェック
そして、「はじめに」のあとに読むのをお勧めなのは、「おわりに(あとがき)」です。
いきなり「おわりに」を読むのは、小説であれば結末を先に知るようで面白みがないと思われるかもしれませんが、小説はいざしらず、それ以外の本であれば、積極的に「おわりに」を読むことをお勧めします。
なぜなら、「おわりに」も「はじめに」同様、集約化、抽象化された情報が載っていることが多いからです。また、実際に本文を書き終えたあとに「おわりに」を書きますから、本文を書くなかで気づいた発見や、そもそもこの本で言いたいことがズバリと書かれていたりします。なお、「はじめに」も本文を書いたあとに書かれることも多いので、そういった本の核心が書かれていることもよくあります。
また、「おわりに」は、本をある程度書き終えてリラックスした状態で書いていることも多いので、よくセミナーや講座の後の雑談や懇親会で、講師の本音がポロリと漏れ聞こえるように、「おわりに(あとがき)」でも著者がリラックスした状態で、より本音に近い部分で書いていることも多いと感じられます。そんなふうに読んでもらうと新たな発見もあるでしょう。
☆本の内容・構造を理解して、「わかった」に近づこう
さて、本の読み方はいったんここで終えて、また本の内容・構造に入っていきましょう。
この『仕事が楽しくなる!25のルール』では、全体の構成を指し示しているのが「Part1 仕事が楽しくなる「5つのキーワード」」になります。
その見出しを挙げると
キーワード1 「ありがとう」と言ってもらえる仕事
キーワード2 「なぜ、何のために」かがわかっている仕事
キーワード3 「ゴール」が見える仕事
キーワード4 「昨日より今日が」前進している仕事
キーワード5 「おめでとう」が言い合える仕事
こういう仕事が「楽しくなる仕事」ということですね。そして、こういう仕事にするためにはどういうことをすればいいかが、Part2~6に書かれるという構成になっているのです。
改めてPart3~6のタイトル(共通部分である「ための「5つのルール」は省略」)とPart1 で挙げられている5つのキーワードを対応させて挙げてみると次のようになります。
「ありがとう」と言ってもらえる仕事 ⇒ 喜ばれる仕事をする
「なぜ、何のために」かがわかっている仕事=仕事に使命感を持つ
「ゴール」が見える仕事=仕事で達成感を味わう
「昨日より今日が」前進している仕事=仕事を通じて成長を実感する
「おめでとう」が言い合える仕事=一体感が言い合える
これを読むことでタイトルにある「仕事が楽しくなる」(より正確には「仕事を楽しくする」)というのがどういうことかがより具体的に見えてくるでしょう。で、これらの5つに対して、さらにそれぞれ5つの「ルール」が書かれているのが本書になるわけです。
Part2~6までのタイトルを見て、それが問いとなっていきます。
「喜ばれる仕事をするにはどうすればいいんだろう?」
「仕事に使命感を持つためにどうすればいいんだろう?」
といった具合です。そして、読み手によって、問いが強く生まれるPartと、そうでないPartがあるでしょう。そして、とりあえずは自分が「なんだろう?」と強く反応するPartから読み始めればいいのです。なお、本書では細分化された「5つのルール」についても目次で出ており、ざっくり読むことができます。ここでは、Part2のルールを挙げてみますと……
ルール1 認識する ▼周囲から期待されている役割を認識しよう
ルール2 超える ▼周囲が期待している期待値を超える
ルール3 安心させる ▼当たり前のことが当たり前にできるから安心する
ルール4 知っている ▼あなたのことを知っているから信用から信頼に変わる
ルール5 共感する ▼相手と喜びを共感するから相手はあなたに共感する
この見出しのうち、認識する/超える/安心させる/知っている/共感する というように動詞だけを抜き出した部分は、これだけ読んでもほとんどピンとこないですから、あまり利用価値はないですね。ただ、▼以降の文章を読めば、かなりの内容の推測はできると思います。
これを読んで、「これってどういうことだろう?」と強く反応するものから読んでいけばいいでしょう。
さて、いかがでしょう? 『仕事が楽しくなる!25のルール』を具体例に、速読していくプロセスと同時にその内容・構造を紹介してきました。これだけでも、『仕事が楽しくなる!25のルール』についてかなり「わかった」(つもり)なのではないでしょうか?
次回は、いよいよ『仕事が楽しくなる!25のルール』の読み方についてのまとめに入ります。
お楽しみに!
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速読勉強術、仕事のミスをなくすビジネススキルに関する講演、研修などができるトレスペクト教育研究所代表 宇都出 雅巳 講師のプロフィールはこちら