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【講師インタビュー】竹中平蔵氏
11月に開催された、ラーニングエッジ株式会社主催の”セミナーズ2014秋”で、1500名を超える参加者に対して、「これから10年の日本の経済情勢」をテーマに講演をされた竹中平蔵先生に、講演会後の控え室で、ノビテクマガジン編集部がインタビューをさせていただいた。
Q:専門分野である金融・経済・政治の話題だけに留まらないご講演は、とても好評をいただいております。情報収集の仕方と取捨選択、見極め方を教えてください。
竹中先生:
まず、情報は自ら収集しなければいけません。私は、海外に行くことが多いのですが、こういった機会は、生の情報を自分で収集することができるとても貴重な時間です。
メディア、インターネットなど巨大で無限大の情報源がありますが、やみくもに、漠然とした目的で情報収集をしても、情報は活かされません。関心と目的意識をしっかりと持ち、取捨選択できる見極める力を養わなければなりません。
見極める力は、問題意識を持ちながら、情報の中を泳ぎ回ることが重要です。泳ぐ回数を重ねることで、脳が磨かれ、取捨選択が出来る見極める力が付くのです。
Q:現代のビジネスパーソンへエールをください!
竹中先生:
当時の小泉純一郎首相が参院の代表質問の答弁において、「人生に大事なことは、夢と希望とサムマネー(いくらかのおカネ)。」と名優チャップリンの名言を引用されたことがありました。まさしく、その通りだと感じます。何をやりたいかを明確に持ち、「まず一歩踏み出せ!踏み出せば次の一歩が見えてくる!」とエールを送りたいです!もちろん、そのためには、ある程度のお金を自分の責任で備えないといけませんが、大金は必要ないのです。
また、経済用語に、サンクコスト(埋没費用)という用語があります。“既に発生してしまって、もう戻ってこない費用・労力・時間”のことを意味します。
キャリアについても同じようなことが言えると思います。行動を早くとれば、サンクコストが低い。要は、リスクテイクがし易いということです。そういう意味でも、若い人は行動がとりやすく、可能性に満ちている。
「若さこそ、力である」というと、一見ありふれた言葉に聞こえるかもしれませんが、意味深い言葉だと思います。
年齢に限らず、一歩踏み出さずにいるということは、サンクコストを高めているということです。だからこそ、「まずは踏み出せ!」とお伝えしたい!
Q:竹中先生のオススメの一冊を教えてください。
竹中先生:
サミュエル・スマイルズの「自助論」です。
学生には、いつもこの本を薦めています。
是非、一読してみてください。
Q:座右の銘を教えてください。
竹中先生:
19世紀の経済学者アルフレッド・マーシャルの「warm heart, cool head」
(暖かい心 と 冷静な頭脳)です。
竹中先生、忙しい中、ご講演後のお時間の短い中、インタビューにお応えいただき感謝の念でいっぱいです。
経済評論家として、国内外の経済情勢についての情報発信は皆様ご存知のとおりですが、
インタビューでお答えいただいたとおり、私達ビジネスパーソンへの強いメッセージを持って多くのヒントと勇気をくれます。
そんな竹中先生のメッセージを講演という形で、多くの皆様にお伝えすることができたらと考えております。
ノビテクマガジン編集部