働き方・生き方
HUMAN RESOURCE DEVELOPMENT 人材育成
MIRAI FORUM【第3回】人事の役割はどのように変化する?次世代人事価値とは – これからの日本を考える- Think about the future of Japan
【コラムジャンル】
about , FORUM , future , Japan , MIRAI , of , the , Think , これから , 人事 , 人事価値 , 変化 , 役割 , 日本 , 次世代 , 第3回 , 考える
2018年08月06日
これからの日本を考える
2018年10月15日「世界最高のチームコンテスト」を開催。
「これから個人に求められることは“新しい価値をどんどん創造していくこと”」
今回ノビテクマガジンが組んだのは、現状維持を打破し新たな機会を生み出すコラボレーションの場「MIRAI FORUM」。同フォーラムのモデレーターを務めるピョートル・フェリクス・グジバチ氏を案内人として、次世代の組織のあり方、人事のあり方に関する最先端の情報をお届けします。
(※本記事は、2018年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
人事の役割はどのように変化する?次世代人事価値とは
自動化、アウトソーシング、AIの発達により、これまでの仕事はどんどん失われたり変容したりしていきます。例えばエリート職種の代表格だった弁護士の仕事やそれを補佐する新任弁護士、パラリーガルの仕事はAIにとって代わられる可能性はたいへん高いと言われています。アメリカのソフトウェア大手シマンテック社のサービスを利用すると2日間で57万件以上の法的文書を分析することができるそう。もはや人間が太刀打ちできるレベルではないのです。
これからの企業は社員がテクノロジーと親しくなり、「飛躍型」のビジネスや行動パターンを作って新しい価値を生み出せるような場作りが求められるでしょう。そのうえで「世界に影響を与え、変えよう」という大義名分と「楽しいからやっている」という二つの側面を両立させること。人事の立場にある人は「この二つの要素を組織作りの中に取り入れるためにどうすればいいか」を考える必要があります。
個人のあり方、組織との関係
すでに資本主義社会は終焉を迎え、ポスト資本主義社会が到来しつつあります。これからの時代をリードする人はその世界の仕組みを作る人たちでしょう。
「有名大学を卒業し、一部上場の大手企業に就職し、順調に出世コースに乗っている人」がエリートという概念はなくなり、成功の延長線上にあると考えられていた“お金”も、もはや人々が価値をやり取りする手段の一つの要素になります。資金がなくてもSNSで多くの人とつながればそのつながりをもとにビジネスを起こすことも可能。現に大資本から外れたところで魅力的なビジネスがたくさん生まれています。
つまり、組織や企業に属していようといまいと、これから個人に求められることは“新しい価値をどんどん創造していくこと”です。「こういう世界を見たい」という確かなビジョンを持ち、その世界を作るために自分がするべきこと=ミッションを探し出し、果たしていく。その意志やパッション、エネルギーが強ければ強いほど周囲を惹きつけ、賛同者を増やし、つながりをもとに確実に結果を生み出していけるでしょう。
MIRAI FORUM – これからの日本を考える- Think about the future of Japan(了)
プロフィール
ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)
プロノイアグループ株式会社 代表取締役/モティファイ株式会社 取締役 チーフサイエンティスト
ポーランド生まれ。2000年に来日。ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、2011年Googleに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からグローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年独立して現職。 プロノイア社では、国内外の様々な企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティング・研修を行なう。モティファイは、社員とメンターが双方で使うユニークな人材育成プログラムや、働きやすい企業の環境づくりを支援する人事ソフトベンチャー。近著、『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(大和書房)、『Google流 疲れない働き方 やる気が発動し続ける「休息」の取り方』(SBクリエイティブ)がある。