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眞邊明人【第5回】他人の経験を自分のものにしてはなしに深みをもたす – プレゼンの鬼が教える話し方のコツ!眞邊明人の最強の話し方
【コラムジャンル】
コツ , トレーニング , はなしかた , プレゼン , もたす , 他人 , 教える , 最強 , 深み , 眞邊明人 , 知識 , 第5回 , 経験 , 自分 , 話し方 , 連載 , 鬼
2015年12月02日
プレゼンの鬼が教える話し方のコツ!眞邊明人の最強の話し方
自分ひとりで経験できることは限界があり、その足りない部分を「情報」として「本」や「インターネット」や「他人の話」などから補完するわけです。問題は、その得た「情報」=「知識」をいかに「使う」かです。
元吉本興業のプロデューサーであり、新垣結衣や佐藤健のデビュードラマの監督であり、即興演劇のプロリーグ「アクトリーグ」を生み出したという異色の経歴の持ち主、眞邊明人氏。
売れっ子研修・講演講師でもある 眞邊明人氏に、いままでの研修や講演会をはじめ、様々な経験を通じて得られたことを元に、最強の話し方について語っていただきます。
どうしたら、あの人のように喋れるようになるのか?
あの人とこの人では、同じことを話しても全然違うのはなぜなのか?
最強の話し方を身につけるために必要なこととはなにか?
これぞ話し方の「ノウハウ」決定版です。
他人の経験を自分のものにしてはなしに深みをもたす
今回は他人の経験を自分のものにして話題や知識を豊富にして、はなしに「深み」を持たすということがテーマです。少し今までのトレーニングとは違って応用編的なものになります。
そもそもわれわれは自分ひとりで経験できることは限界があります。その足りない部分を「情報」として「本」や「インターネット」や「他人の話」などから補完するわけです。問題はその得た「情報」=「知識」をいかに「使う」かです。「知識」として「インプット」するだけではなんの役にも立ちません。やけに「知識」はあるのに全くその知識を活かせずただの「評論家」になっている人がたくさんいると思います。「知識」は使ってなんぼです。
「経験」=「行動」というツールを有効に活用する
われわれは自分が「経験」したことが一番強烈に自意識の中に刷り込まれそれが行動規範になったりします。それは、「経験」=「行動」が伴っているからです。つまり「経験」=「行動」は非常に自分を変革させる有効な「ツール」になるわけです。
「他人の経験」を自分のものにできれば、その数を増やしていけば凄いゼネラリストにもなりますし、「経験の方向」を絞り込めば凄いスペシャリストにもなります。それも「短時間」で。とても素晴らしいことです。ただこれを行うにはいくつかの前提条件があります。
それは「コミュニケーション力」と「傾聴力」、「積極性」です。
要するに「たくさんの人に会う行動力」が必要になります。まぁ、「他人の経験」ですから自分以外の人に会うことが必要なのはあたりまえといえばあたりまえなんですが。ポイントは「本」や「インターネットの情報」ではなく自分の力で情報を仕入れることです。簡単に言えば「インタビュー」することです。
他人の経験を自分のものにするテクニック「ミラー」
今回、ご紹介するノウハウは「ミラー」というテクニックです。
この「ミラー」というテクニックこそが「他人の経験を自分のものにする」最良の方法です。
やりかたはこれまた簡単です。
まず自分が欲しいと思う「経験」を持っている人に会いにいきます。
そして、その人の「経験」を「インタビュー」します。
この「インタビュー」が重要です。「インタビュー」をする際にあることを前提条件とします。それは、「その経験を同じ経験を持っている人の前で話す」ということです。それも「自分の知識、もしくは経験として」です。ちょっとわかりにくいので例えで話をしましょう。
「ミラー」テクニックの事例
このテクニックはワタシが大日本印刷の営業時代に編み出したもので、このテクニック使い出してから本当に営業は楽になりました。
まず、自分の攻めたい業界を決めます。
印刷の仕事というのは、どんな業界でも必要なものなので全ての業界がターゲットにできます。しかし、商品パンフレットやポスターやカタログといった大きな売上げが見込めるものはそれなりに業界知識がないと相手にされません。しかし、一から勉強している時間はありません。営業成績をあげるためにはなるだけ早く知識を身につけて、クライアントと対等になる必要があります。
そこで、最初は「本命」ではないそのターゲット業界の企業を攻めます。
なんとかそこの担当に会って、とにかくその業界についてインタビューします。ここでのポイントはその企業から「受注」するのが目的ではなく、あくまでも「その業界の知識を得る」ことが目的です。
受注する気はないのですから、知識がないことは気にせずドンドン質問します。
ここで大事なことは、そこで「得た知識」を「使う」ことを前提とすることです。得た知識をどこで誰に使うのか?それは、次に訪問する同じ業界の別の会社の担当者にです。インタビューして得た業界の知識を、さも、自分が体験して得た知識のように、別の会社の担当者にぶつけるのです。別の会社で聞いてきましたなどと言ってはいけません。いっぱしに業界を知ってるように話すのです。そうです、「知ったかぶり」です。しかし、その「知ったかぶり」をするためにはかなり詳細にインタビューしなければなりません。なにせその話をプロに話すわけですから。このプレッシャーが必然的にインタビューに必要な「質問力」と「再現力」を培ってくれます。
そして、次の訪問先でその知識を「自分のもの」として披露するわけです。
もし、この知識が間違っていればその場で否定され訂正されるでしょうし、まがりなりに当たっていればさらに深い「知識」を得るチャンスです。これを繰り返すわけです。
インプットとアウトプットのサイクルをまわす
ワタシの経験では4~5回くらい行うと、かなりの業界通になれます。これはまさにインプットとアウトプットのサイクルをまわすということです。それに複数の人と会うことによってコミュニケーション力を鍛えることができます。ビジネスのおけるコミュニケーション力とは「情報の交換と情報の精度の確認」です。単に「仲良く」なることではありません。「情報」を入手して、その「情報」の「精度」を確認するということは極めて重要です。
情報を自分のものとして扱う「責任」こそが説得力をもたらす
情報の精度の確認はあくまでも「自分の責任」において行う必要があります。「こんな話を聞いたんですけど・・。」というのと「こういうことですよね。」では全然、説得力が違います。「こういうことですよね」と自分の責任で言うためには、わからないことはもっと突っ込んで聞いたり、自分なりに調べたりという行動をとるはずです。他人の伝聞では所詮、自分の責任ですからいい加減な知識でとどめています。それを自分の責任の上での発言にするということだけで、人間は慎重に「情報」の「裏付け」をとることを行います。
これがビジネスの上では大変重要なスキルになります。情報を自分のものとして扱う「責任」こそが「はなしかた」に説得力を持たす最良のテクニックです。
自分の足や目や耳で手に入れた情報は「経験」になる
最近はとにかく情報を単一的に得ることに皆慣れてしまっています。インターネットで調べれば玉石混合あらゆる情報が手に入ります。結果的にその裏づけをとらずに安直のその情報を信じてしまう傾向があるように思います。自分の足や目や耳で手に入れた「情報」は単なる「情報」ではなく「経験」です。
自分が実際に経験していなくても、その「情報」を得るための行動が「経験」として自分の潜在意識の中に強く刻み込まれ、次に新しい「行動」の活力になります。そのために人と「話す」というコミュニケーション能力の強化が必要になるわけです。
この「ミラー」というテクニックはあらゆる場面で活用でき、しかも行なえば行なうほどスキルが上がる「必殺」のテクニックです。ぜひ活用してみてください。
講師への講演依頼はノビテクマガジンで!
プレゼン、話し方に関する講演、研修などができます。株式会社先駆舎 代表/演出家 眞邊 明人 講師のプロフィールはこちら