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石田陽子【第3回】ストレスリダクション – 働くみんなの保健室~ストレスを味方につける読むビタミン~
【コラムジャンル】
ストレス , ストレスチェック , ストレスリダクション , パワー源 , ビタミン , マインドフルネス , みんな , 保健室 , 働く , 味方 , 石田陽子 , 第3回 , 誤解 , 読む , 連載
2016年06月15日
ストレスリダクションってストレスを減らすってことですか?ストレスは大好きになって、どんどん味方にしたほうがいいってことだったのに、やっぱり減らす方法が重要なんですか?
ストレスを感じない日などないのではないでしょうか?
2015年12月から企業でのストレスチェックも義務化されます。
現役医師で産業医の経験も豊富な女医 石田陽子氏が、『働くみんなの保健室~ストレスを味方につける読むビタミン~』と題し、ビジネスパーソンが日々感じている難敵ストレスの解説や、ストレスとの上手な付き合い方をはじめとした、健康に関するあれこれを石田氏=Dr.Yokoとウサギ課長が楽しく分かりやすくお届けいたします。
働く皆さん、こんにちは。ストレスを楽しんでいますか?
3回目の「ストレスを味方につける読むビタミン」です。
1回目は、
①ストレスこそがパフォーマンスの栄養になること
②ストレスには、いいやつと悪いやつがあること
を学びましたね。(第1回コラム 良いストレスと悪いストレス!?)
2回目は、
①ストレスを悪者と思うと損するけれど、ストレス大好き!の思い込み(マインドセット)で「味方」にすれば、健康&幸せになってパフォーマンスアップできること
②セルフドーピングでパフォーマンスをあげること
を知ってしまいました。(第2回コラム ズバリ教えます。ストレスの最大の誤解。ストレスってパワー源。)
3回目の今回は、予告した通り、ストレスリダクションです。
ストレスリダクションってストレスを減らすってことですか?ストレスは大好きになって、どんどん味方にしたほうがいいってことだったのに、やっぱり減らす方法が重要なんですか?
そうなんです。ストレスはあればあるほどオトクなんですが、第1回の最初にお見せしたストレスパフォーマンス曲線を見ると、ストレスだけをどんどん増やすと、疲弊してしまう可能性があることがわかります。横軸のストレスを一定まで高められたら、次は縦軸のパフォーマンスを引き延ばすべく、理想的なストレスレベルを維持することが重要になってきます。
なるほど。トップアスリートのトレーニングのように、ストレスレベルのコントロールを身につけるということですね!
ラグビーの五郎丸選手はお決まりポーズのルーティーンで集中力をレベルに保ちますよね。スティーブジョブズはマインドフルネス瞑想でポジティブマネジメントしていたそうですね。
学術的に認められているのは、まさにマインドフルネスによるストレスリダクション(MBSR)です。マインドフルネス=瞑想のイメージが強いので、「瞑想」となるとスピリチュアルすぎて、特別な技術がいりそうで尻込みしてしまいますよね。言葉の定義ははどーでもいーんです!まずは気楽に取り組んで下さい。
人間はほとんど目の前のこと、今起きていること、今知覚していることとは別のことを考えちゃっていること、ほとんどの行動を無意識のうちに選択していることは、学術的に明らかになっています。もう、いろんな感情が奇跡的に共存している状態なので、これを美しく整然と並べようとすることは、絶対に無理!!
こんなふうにいろんなアレコレがプカプカ浮かんでいるのが、人間の心なんだなあ、とちょっと俯瞰してみるというのが、一番簡単なストレスリダクションです。
言うは易しですが、なかなか自分の心を遠くから見るのは難しいですね~。座禅を組んで、心の内側に入り込む・・・
そんな不慣れなことをすると、妄想が噴き出して、ぎりぎり頭の中にひしめき合っている交通渋滞状態のいろんな感情が、どんどん事故を起こしてしまいます!頭の中のごちゃごちゃを整理しようとしたって疲れるだけです。散らかっているままでいいから、知らんぷりして、リラックスしましょう。
五郎丸ポーズでもいいし、ヨガでもいいし、かたちはなんだっていいんです。
簡単なのは深呼吸です。息を吐くとき、「息が出て行くな~」と感じて下さい。吐く息の最初はたくさん、だんだん小さくなって呼気が終わります。吸うのは自然にまかせて下さい。肺は膨らもうとする力を持っているので、空気は勝手に体の中に入ってきます。人は吐くときに力を発揮するので、まずはできるだけ吐き、勝手に吸わせながら、意識的に長く、ゆっくりと、抵抗を感じながら吐いていきます。くりかえしてどんどん、呼吸を大きく長くしていきます。自分が息を吐いている、息を吸っている、そのことだけを考えましょう。
1回ごとに吐く息の勢いがおさまっていく様子を感じると、呼吸がゆっくりなりやすくなり、呼吸がゆっくりになると、心が静まる(医学的には副交感神経が優位になる)ようにできています。姿勢はなんでもいいです。どんな姿勢でも呼吸はできます。もしルールが欲しければ、何回か気軽に足踏みをして止まったところで、はじめてみましょう。
これなら信号やバス、電車を待っているときにでも出来そうだし、職場でちょっと行き詰まっちゃったときに立ち上がって実践してもよさそうだ!怒られたらYOKO先生のせいにしてもいいっすか??
もちろんです☆ストレスレベルが高まりすぎて、パフォーマンスが落ちてしまいそうになったら、一度、深呼吸でストレスレベルを下げて、横方向ではなく縦方向に進化するにはどうするか、考られるところまで落ち着くのが鍵です。
ストレスパフォーマンスカーブの頂上近くで、上手にガス抜きしながら、うろうろすればいいのですね!
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