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大竹哲郎【第6回】来年の新入社員の準備で気をつけること – 教育相談室 企業教育担当者奮闘記
【コラムジャンル】
企業 , 大竹哲郎 , 奮闘記 , 担当者 , 教育 , 新入社員 , 新入社員研修 , 最終回 , 来年 , 気をつける , 準備 , 相談室 , 第6回 , 連載
2015年02月03日
来年の新入社員の準備で気をつけること
若手教育担当者のお悩み「来年の新入社員の準備で気をつけること」を、ベテラン人事教育担当者の株式会社F&Lアソシエイツ 代表取締役/コンサルタント 大竹哲郎氏がズバッと答えます!
<解説者>
株式会社F&Lアソシエイツ 代表取締役/コンサルタント
大竹 哲郎(おおたけてつろう)
1967年生まれ。1991年、北海道大学経済学部卒業。石川島播磨重工業株式会社(株式会社IHI)に入社し、23年間にわたり人事関係業務に従事する。人事制度企画、採用、教育、評価などのほか、事業統合・事業所移転に伴う組織融和を多数経験。2014年7月に独立し、株式会社F&Lアソシエイツを設立。
Q6:来年4月の新入社員研修の準備に入らなければなりません。どんな点に気をつければよいでしょうか?
A:新入社員にとって、教育担当者はとても身近な存在ですよね。会社に入ってすぐに接する先輩なので、まさに「会社の顔」です。小さな会社ならともかく、大きな会社になると「入社したときの社長の顔はうろ覚えだけれども、教育担当者の先輩は忘れられない」という人もいるほどです。心してかかりましょう。
さてさて、新入社員研修で一番大切なことは何でしょうか?私は、「学生から社会人への意識転換」と「会社の一員としての意識の醸成」だと思います。
前者(学生から社会人への意識転換)については、新入社員研修の時にしっかりとできないと、後を引いてしまいます。学生時代の「学費を払って学ぶ」状態から、企業人として「給料を貰いながら働き・学ぶ」状態への変化をしっかりと意識させることが重要です。そのことが、後々の自立的な働き方につながるのだと思います。
後者(会社の一員としての意識の醸成)は、その後の定着率に影響します。新卒社員の退職率の高さに悩んでいる会社には、特に重要です。会社の上司や先輩、同期の仲間との関係性を構築し、会社の中に自分の「居場所」を確保し、安心して仕事に取り組める環境を作ることが定着につながります。これを、私の若手時代の人事担当役員は「リファレンス・グループの構築」と言っていました。リファレンス(=関係性)を構築することが、帰属意識や貢献意識につながるというものです。
新入社員研修では、会社特有の知識やスキルの習得に加えて、これらの「意識づけ」に関するカリキュラムも取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか?
最後に、新入社員研修に関わる事務的な留意点をお伝えしておきます。
まず、何といっても会場と講師の手配を早めに済ませましょう。4月~5月は、日本中の企業が新入社員研修に取り組みます。社内の研修室や会議室ならともかく、社外の研修施設を使う場合はなるべく早く予約しておきましょう。社外講師を招聘する場合も、早くアポイントを取ることが大切です。
次に、受講者の移動や宿泊をスムーズに進めるためのアレンジをしましょう。
新入社員は、自宅や学生時代の下宿から会社の新しい寮や新しいアパートに移ったり、慣れない勤務地に赴任したりと、生活面でも大きな変化を強いられます。こうした面をしっかりとサポートすることも、人事部門として大切なことです。
さあ、新入社員が円滑に社会人としてのキャリアをスタートできるかどうか、持部さん次第です。気合を入れていきましょう!
(※本記事は、2013年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
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