働き方・生き方
HUMAN RESOURCE DEVELOPMENT 人材育成
岡田晃【第1回】歴史と現代を対比する – 時代を築いたリーダー達~歴史から紐解く、プロフェッショナルの本質~
【コラムジャンル】
プロフェッショナル , リーダー , 吉田松陰 , 岡田晃 , 意義 , 教訓 , 時代 , 本質 , 歴史 , 知る , 第1回 , 築いた , 紐解く , 連載
2015年01月07日
時代を築いたリーダー達~歴史から紐解く、プロフェッショナルの本質~
歴史を見る目を養えば、経済を見る目も養われる。そう考えると、“歴史の経験“を知ることの大切さが分かります。 歴史を学ぶことというのは、リアルな現実を学ぶことにもなるのです。
新聞・テレビ・講演を通じて、様々なニュースを伝え解説している岡田晃講師が、経済評論家という立場から歴史と現代を結びつけて、その時代を牽引してきたリーダー達にスポットをあてて語る連載インタビュー企画です。
インタビュアー 八波洋介
歴史と現代を対比する
岡田先生は、講演や執筆をとおして、歴史と現代を結びつけて論じられることが多いですが、いつから歴史と現代を対比されるようになったのですか?
新聞記者、テレビ報道をする立場から、様々な経済取材の仕事をしてきましたが、以前から歴史と結びつけて、解説などをしていたわけではありません。歴史に関しては個人的な興味から、色々と調べたり名所に行ったりしていた程度でした。
しかし、バブル崩壊で日本の経済危機を迎えた時に、過去の事例として昭和金融恐慌(1927年)や昭和恐慌(1930年)などが取り上げられ、当時の高橋是清が推進したデフレからインフレへの経済政策について調べ始めたことが、一つのきっかけとなっているかもしれません。
1929年の世界大恐慌でも様々な背景を紐解いてみると、この恐慌が第二次世界大戦につながる大きな意味をもっていますし、昭和恐慌にも大きな影響を与えているのです。
歴史を知ることの意義
歴史を知ることの意義って何でしょうか?
小中高の歴史では年号を覚えたり穴埋めしたりなど個々の出来事を断片的に暗記させるような教育が多いようですが、歴史を知るということはそのようなことではなく、出来事の繋がりを知るということです。
歴史的な出来事には例外なく、必ず繋がりがあります。その繋がりを知ると、ドラマチックに見えてきます。そこに、面白さがあります。
経済の動きも一緒で、例えば、突然に株が暴落するということはなく、必ず様々な原因・前兆があるわけです。歴史を見る目を養えば、経済を見る目も養われる。そう考えると、“歴史の経験“を知ることの大切さが分かります。 歴史を学ぶことというのは、リアルな現実を学ぶことにもなるのです。
歴史は人物をとおして語られることが多い?
歴史は、人物をとおして語られることが多いですよね?
そうですね。世界大恐慌ではフランクリン・ルーズヴェルト、昭和恐慌であれば高橋是清と、人物に焦点を合わせると分かりやすいということもありますし、何と言っても人物からは、大きなエネルギーと元気をもらえますよね。
例えば、歴史を紐解くと、江戸城まで焼失してしまった明暦の大火といわれる振袖火事(1657年)では、当時幕府の実質的なNo.2の位にいた保科正之がリーダーシップを発揮し、江戸の災害復興のために主要道の道幅の拡張を行って「広小路」と名付け、災害に強い都市づくりを断行しました。その名残が現在の上野広小路です。また両国橋など隅田川に多くの橋をかけるなど、震災復興と同時に新しい発想で都市計画を進めました。
このように、危機に直面した時には人物が出てくるものです。私も、近代から過去に遡り、幕末、明治維新、江戸時代と歴史を研究し、今回取り上げる吉田松陰、上杉鷹山、織田信長など多くの人物について講演などをしておりますが、皆さんに彼らが残してくれた教訓とエネルギーをお伝えできればと思っております。
なぜ今、吉田松陰なのか?
さて、先生、このコラムではその歴史上の人物を通して、「時代を築いたリーダー達 ~歴史から紐解く、プロフェッショナルの本質~」というテーマで連載をさせていただきます。記念すべき初回は、年明けのNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」にちなんで、吉田松陰を取り上げることになりましたが、なぜ今、松陰なのでしょうか?
歴史から学ぶという視点で考えると、幕末から明治維新は避けては通ることのできない時代ですよね。250年を越える徳川幕府が続いていた平和な世に、突如として黒船が来航し、幕府おろか世間を揺るがす大事件が起きました。(余談:突如と言っても、実は幕府首脳は知っていました。肝心な事を先送りする体質は、その当時からあったのですね。)
その当時の欧米列強のインパクト、とりわけアヘン戦争による清の惨状を知り、日本に危機感を与えました。そのような外圧が日本を幕末から明治維新へと推し進めたのです。
その中で、吉田松陰は、迫る欧米列強の驚異に対して、新しい日本の形を作るという使命のもと短い人生でしたが、様々な活動を行いました。彼自身、直接的には、世の中を変えるという成果は残せていません。にもかかわらず、日本の幕末を語る上で、必ずと言っていいほど登場する人物です。では、なぜこんなにも注目されるのか。それは、実際に明治維新から日本を作った(歴史を大きく変えた)人たちを育てた人が、吉田松陰なのです。
吉田松陰の生涯(年表)
※下の表をクリックすると、拡大画面でご覧いただけます。
次回 吉田松陰を知る 前編
次回以降は、この松陰の生き様や軌跡を紹介していきながら、松陰のもとで学んだ門弟たちが、どのような教えを受けて日本を変えるリーダーになっていったのか・・・など
お伝えしていきたいと思います。
≪ 岡田晃【目次】時代を築いたリーダー達~歴史から紐解く、プロフェッショナルの本質~
≫ 岡田晃【第2回】吉田松陰を知る 前編 – 時代を築いたリーダー達~歴史から紐解く、プロフェッショナルの本質~
講師への講演依頼はノビテクマガジンで!
歴史上の人物から学ぶリーダー論、マネジメント論、危機管理、
そして、国内外の景気と株価を読む5つのポイントなどの講演ができる経済評論家 岡田 晃 講師のプロフィールはこちら