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望月美佐緒【第1回】脳がどんどん覚醒していく – 脳が活性化する「シナプソロジー」って?
退屈した脳もシャキッと覚醒!
脳が活性化する「シナプソロジー」って?
「混乱することで脳が活性化」
エクササイズを通じて脳のインプット/アウトプット機能を刺激し、認知機能全般を向上させるメソッドがあるという。開発したのは、全国で100店舗を超えるスポーツクラブを展開する株式会社ルネサンス。誰もが楽しく取り組めるうえ、確実な脳力アップにつながる「シナプソロジー」について、シナプソロジー研究所所長の望月美佐緒さんにレクチャーしてもらった。
村上杏菜 ≫ 文 櫻井健司 ≫ 写真
(※本記事は、2019年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
望月 美佐緒(もちづき・みさお)
株式会社ルネサンス 常務執行役員健康ソリューション本部 副本部長/商品研究開発部長。シナプソロジー研究所 所長。
これまで20年以上にわたり、スポーツクラブの商品開発に携わり、様々なプログラムを開発する傍ら自らも国内外の数多くのフィットネスコンベンションにてプレゼンターを歴任。現在は、ヘルスケア領域全般の商品の研究開発を担当。また自ら開発した脳の認知機能を向上させるメソッド「シナプソロジー」の研究開発及び普及に携わる。
シナプソロジー研究所HP : https://synapsology.com/sy/
脳がどんどん覚醒していく
高齢者からプロアスリートまでが活用できる「シナプソロジー」とは、どのようなメソッドでしょうか。
望月 シンプルに表現すると、「脳の機能を高めてくれるエクササイズ」です。エクササイズ自体は「手を叩く」「4つの動きを行う」など簡単で単純な動きがベース。ベースの動きを対象者に合わせて調整することができるので、介護施設でのリハビリからアスリートチームでのウォームアップトレーニングまで、幅広く活用されています。
このベースの動きに対し、視覚や聴覚といった五感を通じた刺激や、「計算」「記憶」「思考」などの認知機能への刺激を変化し続けることで、適度に脳が混乱して活性化につながります。
混乱することで脳が活性化するのですか?
望月 そうなのです。やったことのない動きや思考をすることで脳は活性化するのです。脳の神経細胞同士をつなぐ役割をしている「シナプス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?「シナプソロジー」とは「シナプス」をもじった造語。刺激を与えることで脳の神経ネットワークやシナプスの働きを活発にし、脳の認知機能全般の向上を狙っているのです。
また、頭を使って脳への血流を良くすることも脳の活性化に役立ちます。
シナプソロジーを行うと、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
望月 直後に見られる効果としては手先の器用さや注意機能の向上、活動的な気分の向上などです。さらにシナプソロジーを週2回、2カ月程度続けることで判断力や認知機能全般が向上し、緊張・疲労感の低下や抑うつ感・倦怠感の低下も認められています。
さらに最近の実証実験では、「実行機能」も向上することがわかりました。この機能は平たく言えば、「不確実な物事に対し、いかに正確に素早く対応できるか」というもの。ビジネスの世界では変化への素早い対応が求められますので現代ビジネスパーソンにも、シナプソロジーはとても効果的だと言えるでしょう。