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武田双雲【第3回】未来の可能性を狭める夢や目標は持たない – すべてが価値であり、人は価値の中で生きている。 – [特集]Thinking-価値創造と思考-
【コラムジャンル】
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2019年10月21日
すべてが価値であり、人は価値の中で生きている。
- [特集]Thinking-価値創造と思考-
「価値がある・ないの判断基準って何だろう?僕からしてみれば、世の中は価値だらけ」
日本を代表する書道家として、国内外で活躍する武田双雲氏。その創作活動は、映画やテレビ番組などの題字やロゴデザイン、アーティストやクリエイターとのジャンルを超えたコラボレーション、パフォーマンス書道、ポジティブな生き方を説く著作の発表など多岐にわたる。書道家の枠にとらわれず、新たな価値を創造し続ける武田氏に、その根底にある思考や発想などを伺った。
田村知子 ≫ 文 波多野 匠 ≫ 写真
(※本記事は、2018年7月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
武田双雲(たけだ・そううん)
書道家
1975年熊本県生まれ。東京理科大学理工学部卒業。3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。大学卒業後、NTT入社。約3年間の勤務を経て、書道家として独立。音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める。NHK大河ドラマ「天地人」、世界遺産「平泉」、スーパーコンピュータ「京」など、数多くの題字やロゴを手がけるほか、文化庁の任命を受け、海外でもパフォーマンス書道やワークショップを実施。書道教室「ふたばの森」を主宰し、約300名の門下生に指導を行う。各種メディア、講演会やイベント、セミナーなどへも数多く出演。『人生、余裕で生きる極意』(三笠書房)など著書は50冊を超える。
未来の可能性を狭める夢や目標は持たない
武田氏のもとには、個人から企業まで、想いやビジョンなどを書として表す、さまざまな依頼が寄せられる。そこには、これまで数多くの独創的な作品を発表してきた武田氏に、新たな価値を吹き込んでもらいたい。そんな願いや狙いがあるのだろう。しかし、武田氏は「自分が価値を創り出しているとは思っていません」と言う。
「そもそも、価値がある・ないの判断基準って何だろう?僕からしてみれば、世の中は価値だらけ。自分はその人たちが気づいていないもともとの価値の素晴らしさを、書というかたちで表現しているだけなんですよね。ただ、そのときには、常に今を楽しみ、エネルギーの高い状態で価値にアクセスしていることが、最高のパフォーマンスを発揮することにつながっていると思います」
武田氏に今後の創作活動について尋ねると、「今が楽しくて仕方がないから、こうなりたい、こうしたいという夢や目標はないんです」という答えが返ってきた。
「夢や目標を掲げた時点で、『今』がそこへと向かうステップになってしまう。それはすごくもったいないことだと思います。予想もつかない素晴らしい未来が目の前にやってきたとしても、自分が定めた未来へのステップを脇目もふらずに進んでいたら、気づかず素通りしてしまうかもしれないですよね」
その瞬間を楽しむことで、思いがけない出来事に遭遇して、自分の想像を遥かに超えた、出会いや未来が切り拓ける。人間の前頭葉で描く夢や価値なんて、ごく限られたものでしかない。
そう語った武田氏は、自身に「書道家」という概念すら持っていなかった。自分に貼られたレッテルや、自身で課した枠を取り払ってみると、もっと自由な発想で、「価値とは何か」を考えていけるのかもしれない。
武田氏は最後に「僕は人類すべての人をゴキゲンにする?チューナー“になりたい。今、世の中には不機嫌な人があふれているから。でも、自分がみんなをゴキゲンにしてやる!みたいな上から目線ではなくて、不機嫌はつまらないから、よかったら僕と一緒に、もっとゴキゲンになりませんか?という感じです。だって、僕は世の中が不機嫌でも、いつだってゴキゲンだから」と言って笑った。
武田双雲 – すべてが価値であり、人は価値の中で生きている。
– [特集]Thinking-価値創造と思考-(了)
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