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宇都出雅巳【第4回】実践で使わなければ勉強したと言えない – 独学で成功する人・成功しない人
独学で成功する人・成功しない人
「実践することが何よりの勉強になります。繰り返し実践して、本物のスキルとして身に付けていくべきです」
低予算かつ自分のペースで学習できるのが、独学の特徴だ。効果的に行えば、スクールやセミナーに頼らずとも成果を出せる。『合格(ウカ)る技術』『「1分スピード記憶」勉強法』などの著書がある、勉強法指導の達人・宇都出雅巳氏に独学の秘訣を聞いた。
(※本記事は、2014年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
実践で使わなければ勉強したと言えない
現代は必要な情報やモノが手に入れやすくなっている。勉強をしようと思えば、本や参考書だけでなく、雑誌や新聞やインターネット、アプリなど、身の回りに幾らでもツールがあると宇都出氏。代表的なツールの中から、幾つかその特徴と効果的な使い方を解説してもらった。まずは雑誌について。
「雑誌には特集があり、そのテーマに関わる専門家が複数登場するので、多面的な情報を得ることができます。本でそれをすると膨大な量になり、読むのに時間と労力がかかってしまいますが、雑誌には本質的なことが要約して書かれているので、コンパクトに知ることができます」
続いて、スマートフォンの普及に伴ってすっかりトレンドとなり、日々新しい製品がリリースされ続けている学習アプリ。
「アプリは隙間時間で使えるのがメリットです。パソコンと違って、スマートフォンはすぐに立ち上がり、コンパクトなので、ちょっとした空き時間にも勉強できます。それに、最近のアプリは他の人と進捗などを共有する仕組みがあります。一緒に勉強する仲間がいると、モチベーションも上がります。仲間の存在は、勉強をする上でとても大事ですから」
それでは、教育担当が社員に、あるいは上司が部下に積極的に勉強をしてもらうには、どのような勧め方が効果的なのだろう? 宇都出氏は、教材をただ渡すだけではその気になってもらえない、と説明する。
「何のために勉強をするのか、きちんと伝えることが大事です。勉強をすることとその人の仕事が、どうリンクしてどう役に立つのか? をまず説明すべきです。それと、アウトプットの機会を与えることです。雑談の中で、『今勉強していることを教えて』と聞くのもいい。勉強会などの場を設け発表してもらうのもいい。学習環境だけでなく、そういった発表する場を作るのも独学を推進する役割を持つ方の仕事です」
勉強成果をレポートにまとめてもらうのもいいが、それよりも口頭で話してもらう方が敷居が低く、アウトプットしやすいので効果的だという。最後に最も大事なこととして、宇都出氏は実践することを推奨する。
「勉強は実践してなんぼ、ということです。ビジネススキルを勉強したのであれば、一つでも実践しないと勉強したとは言えません。そして、実践することが何よりの勉強になります。繰り返し実践して、本物のスキルとして身に付けていくべきです」
スポーツなら当たり前でしょう、と宇都出氏。水泳の本を読んだだけでは泳げるようにならない。学んだことは、実践ですぐに使う。頭で「分かる」と実践「できる」では全く異なる。後者でないと勉強の意味が無いのです、と宇都出氏は締めくくった。
だれでもできる! 独学で押さえるべき3つのポイント
1.まとまった時間は取れないものと考えて隙間時間を活用し、勉強を習慣化させること
2.最初から頑張りすぎず、“分からない”にもこだわらず、楽に繰り返していくこと
3.勉強を日々の仕事・生活とリンクさせ、必ず少しでもアウトプット・実践すること
宇都出雅巳 – 独学で成功する人・成功しない人(了)
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速読勉強術、仕事のミスをなくすビジネススキルに関する講演、研修などができるトレスペクト教育研究所代表
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