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眞邊明人【第2回】怒りは相手との距離を一気に縮める – 怒りとの正しい付き合い方 ~アンガーマネジメントが組織を導く~
怒りは“見せ方”次第。コミュニケーションにもクリエイティブにも応用できる。
「相手が反応して行動を変えてくれる場合なら、ビジネスシーンにおいて怒りを伝えるのは、私はアリだと思います。」
権利と平等の追求の果てに生まれたのは、本当に優秀な人しか生き残れない不公平な社会システムだという。怒りが充満しやすい現代社会で今、怒りの感情とどう向き合えばよいのだろうか。演出家、監督、作家、講師など、表現のプロとして多彩な顔を持つ眞邊明人氏が語る。
村上杏菜 ≫ 文 櫻井健司 ≫ 写真
(※本記事は、2016年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
怒りは相手との距離を一気に縮める
怒りの感情をコミュニケーションに応用することもできるという。
「演技の視点で言うと”怒り”が一番簡単なんですよ。”悲しみ“の方が難しい。一番表現しやすくてしかも相手に伝わりやすい、その特徴を利用して、怒りは相手と距離を縮めるために使えます」
眞邊氏は研修講師として一般企業の社員を指導することも多いが、必ずしも前向きに話を聞いてくれるケースばかりではない。足を組んだり椅子に踏ん反り返ったり途中退席したり、いわゆる”悪い態度”の裏には「聞きたくない」という拒否の気持ちがある。
「ちょっと意地悪な言い方ですけど、そういう態度が見えると『しめしめ』と思いますね。突っ込めるタイミングを見計らってストレートに『おまえらムカつくわ!』ってめちゃくちゃ怒ってみせます」
「その態度は相手に悪い印象を与えますよ」という正統派の切り口ではなく、「自分も同じことをされたら嫌でしょ?」と、あくまで対等な人間として怒るのがポイントだという。
「『お互い仕事で来てんやろ。そんなに嫌なら社長に言うて出てったらええやん!』ってガーっと怒った瞬間、距離が一気に近づく。そこからは相手もビシッとなるし『この人、距離近いわ?』と感じて心を開いてくれる。もちろんこっちは本気で怒ってなんかいませんよ。要はキレて見せるという演出」
ただ、注意すべきは相手が萎縮し何もできなくなっては意味がないということ。次のステップに進むために動いてもらうことが目的なので、何に怒っていてどうしてほしいのかを明確に伝える必要がある。
「相手が反応して行動を変えてくれる場合なら、ビジネスシーンにおいて怒りを伝えるのは、私はアリだと思います。適切なタイミングで怒ることで相手のアクションが改善される。”笑い”と一緒ですよ。いいタイミングでボケると会場に笑いが沸きます」
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