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菅野昭子【第24回】新入社員を育てる言葉がけ – 研修講師リレーコラム
菅野昭子プロフィール
菅野 昭子(かんの しょうこ)
研修講師 AngeGardien(アンジェガーディエン)代表
アンガーマネジメントを活用した感情コントロール、ペップトークによる自他のモチベーションアップを中心に、目標達成や課題解決にもつながる研修を得意としている。受講者が研修受講後に前向きになり、モチベーションアップする、とお客様からの信頼も厚い。
まじめで熱い講義でありつつ、ユーモアもあり、知識を得るだけでなく元気が出る、と多くの受講者に好評を博している。アンガーマネジメントコンサルティングや、電話カウンセリングといったマンツーマンセッションにも力を入れている。
(※本記事は、2021年1月現在の書き下ろしです。)
新入社員を育てる言葉がけ~ペップトーク活用のすすめ~
今年も新入社員を迎える季節となりました。新入社員の皆さんは多くのことを求められます。社会人へのマインドセットや、ビジネスマナーといったビジネス基礎スキルの習得。そして、配属後は実務で成果をだしていくことが求められます。もちろんそれは本人たちが努力をして吸収していくものです。
ですが、時にパワーダウンすることもあるでしょう。そのような時はもちろん、普段からも、上司、先輩には是非『言葉がけ』で支援をしていただきたいと考えています。
『言葉がけ』は、みなさんが思っている以上に大きな支援となります。
言葉がけといっても、「何やってるんだ」「本当にダメだよね」といったパワーハラスメントのような言葉ではありません。相手のやる気を引き出す言葉がけが大事です。
そこで、相手のやる気を引き出す言葉がけの手法、『ペップトーク』をお勧めします。
ペップトークは直訳すると「激励演説」(PEPは元気、活気という意味)で、アメリカのスポーツの世界で発展した言葉がけの手法です。試合で選手が実力を最大限発揮するには、「どのような言葉を使うと相手の心に響きやすいか」「そのためには、どのような心の持ち方が必要か」。監督や指導者は選手のパフォーマンス向上のために、つねに言葉に磨きをかけ、言葉がけを行っています。それがベースとなり体系化されたものが『ペップトーク』です。
今回は、私が新人研修に登壇した際、受講生のモチベーションアップに活用している、『ちょいペップ』をご紹介します。特長はほんの1~2秒でできるということ。とても簡単で、ルールはたったの二つです。
①相手を認める肯定的な言葉を使うこと
②「ちょい」という言葉のとおり、ひとことで伝えること
例えば、一生懸命電話対応したときには「その調子」、ミスをして落ち込んでるときには「成長のチャンス」、書類の整理を任せたときには「助かるよ」というひとことです。忙しいみなさんでも、『ちょいペップ』なら端的に相手を励ますことができます。
そして、言葉は相手の心に化学変化を起こします。「成長しているのかな」「頑張れているんだな」「見てくれているんだ」「もう少しやってみよう」「できることを増やしたい」と自己肯定感が高まります。そして、仕事へのモチベーションが上がると、行動も変わっていきます。
新入社員は、可能性を持った種です。どう育つかはこれからにかかっています。みなさんの『言葉がけ』によって、成長の活力を与えてください。そのために、気軽に使える『ちょいペップ』を活用してみてください。
たかが言葉、されど言葉。実はみなさんが『ちょいペップ』で与えた活力は、周りにもいい影響を与え、巡り巡って自分に返ってきます。ぜひ言葉の力を味方にし、より良い未来へ進んでいきましょう。