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谷本道哉【第2回】「キツくても辛くない」のは、やっただけ変化があるから – 筋肉貯金で長くたくましく働ける体を作る
筋肉貯金で長くたくましく働ける体を作る
「パンプアップは、自分の将来像が見えているとも言える」
NHK『みんなで筋肉体操』の指導者谷本道哉氏に直撃インタビュー!俳優の武田真治をはじめマッチョな人が5分間ひたすら黙々と筋トレに励む様子が話題になったNHKの『みんなで筋肉体操』。その監修を務め、指導役としても出演している谷本道哉氏が、現代ビジネスワーカーに筋トレが必要な理由とその魅力を教えてくれた。
村上杏菜 ≫ 文 波多野 匠 ≫ 写真
(※本記事は、2019年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
谷本道哉(たにもと・みちや)
近畿大学生物理工学部准教授、日本オリンピック委員会医科学スタッフ、日本ボディビル連盟医科学委員大阪大学工学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国立健康・栄養研究所 特別研究員、東京大学 学術研究員、順天堂大学 博士研究員、近畿大学講師を経て現職。
専門は筋生理学、身体運動科学。「筋肉は裏切らない」で流行語大賞にもノミネートされたNHK『みんなで筋肉体操』、『あさイチ』などTVでも運動の効果をわかりやすく解説。著書に『筋トレまるわかり大辞典』、『スロトレ完全版』、『すごい筋肉貯金「ながら筋トレ」で死ぬまで歩ける筋肉を貯める方法』など多数。座右の銘は「人は変われる」。
「キツくても辛くない」のは、やっただけ変化があるから
谷本さんはいつから筋トレをしていたのですか?
谷本 ずっと前ですね。小学生の頃からです。子ども心に「強くなりたい」と思っていました。筋トレをして限界まで筋肉を追い込むと代謝物の乳酸が溜まり、筋肉が水ぶくれを起こして一時的に1割くらい大きく膨らみます。それを「パンプアップ」と呼ぶのですが、小学生の頃に腕立て伏せをしたあと、自分の体を見て「なんだこれ!デカくなってる!」と思っていました。このパンプアップにハマる人は少なくありません。ボディビルダーや筋トレ好きの人がトレーニング後に鏡に映った自分を見ているのは、パンプアップした筋肉は一回り大きくてかっこいいからです。1割の変化は、初級者が筋トレを始めた場合の3~4カ月分くらいに相当します。自分の将来像が見えているとも言えますね。ちなみに「みんなで筋肉体操」の挨拶のシーンは、パンプアップした状態で収録しているので、ちょっとごまかしているんですよね(笑)」
それって、痛くないのでしょうか……?筋トレをすると筋肉痛が辛そうなイメージがあります。
谷本 パンプアップすると発痛物質が出ますので、刺すような熱いような痛みは感じます。これは筋肉からの「もう動かさないで」というSOSなのですが、これを無視してさらに筋肉を追い込むと、だんだんと悦楽に変わってきます(笑)。脳が諦めて快楽物質を出すんじゃないかと考えられています。ランナーズハイみたいなもので、筋トレハイ、パンプアップハイですね。この悦楽の感覚がたまらないと感じる人もいるようで、かのアーノルド・シュワルツェネッガーは「性行為よりも気持ちいい」と表現しています。僕はそこまでとは思いませんけどね。ちなみにパンプアップ時の痛みは「即発性筋痛」といって、翌日などに起こる、いわゆる”筋肉痛”とはちがいます。翌日に起こるのは「遅発性筋痛」と呼びます。
講師への講演依頼はノビテクビジネスタレントで!
TVなどでも運動の効果をわかりやすく解説している。近畿大学生物理工学部准教授 谷本道哉 講師のプロフィールはこちら