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永谷研一 Vol.1 目標を達成するための”PDCFAサイクル”
【コラムジャンル】
OJT , PDCFA , PDCFAサイクル , ビジネススキル , 人材育成 , 問題解決 , 永谷研一 , 目標達成 , 研修 , 第1回 , 習慣化 , 行動計画 , 講演会 , 講演会依頼 , 講演依頼 , 連載
2015年02月25日
目標達成には根性論NO!精神論NO!
私はこれまで、さまざまな企業の新人教育をはじめとして、リーダーや幹部候補生の研修、育成にも幅広く携わってきました。それらを通して問題だと感じていたのは、多くの人材育成の施策(研修やOJTなど)が「やりっぱなし」になっている点です。そして、それを改善するにはどうしたらよいかを考える中で、人が「目標達成」に向かって行動をしていくプロセスをモニタリングし、データ分析を行ってきました。
のべ12,000人の行動を分析してわかったことは、目標達成に必要なのは「根性論」でも「精神論」でもなく「技術(スキル)」であるということです。
その技術を体系化したのが、“新しいPDCAの回し方”である「PDCFAサイクル」なのです。
目標を達成できる人は、PDCAを回せる人だとよく言われます。しかし、一人で回し続けようとしても、途中で頓挫してしまうことが多いのが現実です。そこで、人との関係性を活用して、CとAの間にF(フィードバック)を入れて、「PDCFAサイクル」とすることで回し続けることができるようになるのです。
人が成長するとは「行動が変わる」「思考が変わる」「関係性が変わる」こと
私が人材育成の仕事をしていていつも思うのは、人を育てる側に「人が成長するとはどういうことか」という議論がないことです。あったとしても、とても感情的、直感的である場合がほとんどです。
「あいつはよくやっているなあ」
「あいつの目の色が最近変わってきた」
といった言葉は何の論理性もなく、上司の裁量(好き嫌い)でとらえ方が変わってきてしまいます。
「よくやっている」とはどういうことなのか?
「目の色が変わる」とはどういうことなのか?
データで語れるくらいでないといけません。
過去の研究から、人が成長するのは
「①行動が変わる」
「②思考が変わる」
「③関係性が変わる」
という3つの領域があることがわかっています。
行動が変わるとは、継続する力の成長です。
思考が変わるとは、心の成長です。
関係性が変わるとは、人との関わり合いの成長です。
「PDCFAサイクル」は、この基礎論理にもとづいて開発された、人が成長するためのメソッドでもあります。
目標達成のための行動習慣化メソッド【PDCFAサイクル】
ここで、PDCFAの5つのステップについてポイントを概観しておきましょう。
【P:目標設定(目標を立て、行動を計画する)】
目標設定とは、目標を「期限」と「数値目標」
(もしくは判断基準が明確な「○○できるようになる」)で表現することです。
曖昧な言葉は目標とはいいません。
【D:行動実践(行動を続ける)】
行動実践とは、文字通り行動を実践することです。
しかし、やみくもに実践しても行動は続きません。
続けるためには、「行動習慣」の技術習得がポイントとなります。
【C:内省(行動を振り返る)】
内省とは、行動を深く振り返ることです。
週に一度、前の週の行動について自己分析を行うことで、自分を客観視する力をつけ、気づき・成長につなげます。
【F:吸収(フィードバックを取り入れる)】
吸収とは、他者からのフィードバックを取り入れることです。
行動や思考に対する「問いかけ」を相互に行うことが重要です。
チームの価値は、関わり合いができるところにあります。
さらに、他者にフィードバックすることは相手に対してだけでなく、自分に対してのセルフ・フィードバックにもなります。
【A:行動変容(行動を改善する)】
行動変容とは、行動習慣の計画を改善することです。
内省や吸収で気づいても、行動を変えなければ成果につながりません。
3週間を目安にして、行動が継続できなかったら簡単なものに変えていきます。
目標達成においては、行動を継続できる簡単なものに変えることはレベルダウンではなく、レベルアップとなるのです。