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永谷研一 Vol.2 「正しい目標」とは何か? – 目標を達成するための”PDCFAサイクル”
【コラムジャンル】
OJT , PDCFA , PDCFAサイクル , ビジネススキル , 人材育成 , 問題解決 , 正しい目標 , 永谷研一 , 目標達成 , 研修 , 習慣化 , 行動計画 , 講演会 , 講演会依頼 , 講演依頼 , 連載
2015年03月23日
目標が達成できない人が多くいます。そもそもそれが「正しい目標」でない場合が多い。正しい目標とは何かを解説します。
様々な企業の新人教育、リーダーや幹部候補生の研修・育成などに関わってきた永谷研一氏。
研修やOJTなどの人材育成の施策が「やりっぱなし」になっている点が問題だと感じ、のべ12,000人の行動を分析して「目標達成」に向かって行動をしていくプロセスをモニタリング、データ分析することで改善方法を編み出すことに成功。
『目標達成に必要なのは根性論でも精神論でもなく、「技術(スキル)」である』
その理論を体系化したのが、“新しいPDCAの回し方”である「PDCFAサイクル」なのです。このコラムでは、仕事がデキる人は必ずやっているという、「目標を達成するための”PDCFAサイクル”」について、永谷研一氏に語っていただきます。
単なる「願い」では目標達成はできない
年の始めや何かの区切りの時に目標を立てることはよくあります。
例えば仕事面では「今年はリーダーとして、このプロジェクトを成し遂げたい」
自己啓発面においては「TOEICのスコアを上げて、念願の留学を実現させたい」
と考えたりします。
人は目標をもって行動することで前向きになれますが、実際には達成できない人が多くいます。そのような人の目標を見てみると、そもそもそれが「正しい目標」でない場合が多いのです。
正しくない目標は、単なる「願い」でしかありません。
これでは、目標が達成できなくても仕方ないでしょう。
正しい目標には「達成期限」と「数値目標」がある
目標達成のためには、行動することが必須なのは明らかです。
何もせず、じっと待っていても何も起きません。
ということは、確実に行動に結びつく目標が正しい、良い目標といえるでしょう。
確実に行動に結びつくような目標にするためには、いつまでに達成するのかという「達成期限」と、達成したかどうかを客観的に判断できる「数値目標」の2つの要素が含まれていなければなりません。
目標は達成できたかどうかが、誰から見ても明確である必要があるからです。
人によって評価が分かれるような目標は、正しい目標ではありません。
このように、行動に結びつく正しい目標のことを「行動目標」と呼びます。
正しい目標=「行動目標」の例
次に、行動目標の例を2つあげます。
・「今期中に業務プロセスの無駄を排除し、在庫率を5%に低減する」
・「部下の営業力を上げ、今年12月の部門の営業成績を前年同月比2倍とする」
いずれも、達成期限と数値目標の2つの要素を含んでいます。
これなら客観的に達成できたかどうかを判断できるでしょう。
達成基準が明確な「〇〇できるようになる」で表現する
能力アップのような自己成長目標は、「○○できるようになる」となります。
例えば、「営業力を上げるためにプレゼンテーションスキルを身につけて、お客さまに提案できるようになる」というような場合です。
この場合は、数値目標の変わりに、「○○できるようになった」ことが客観的にわかるような達成基準が必要です。例を2つ上げます。
・「今期中に独力で提案書を作成し一人でお客さまに説明できるようになる」
「独力で」や「一人で」という部分が達成基準になります。
・「マニュアルを見ないで機械を操作できるようになる」
「マニュアルを見ないで」という部分が達成基準になります。
ぜひ達成期限と数値目標(もしくは達成基準が明確な○○できるようになる)の2つを盛り込んだ正しい目標である行動目標を設定して下さい。