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永谷研一 Vol.7 行動を深く振り返る(内省する)方法 – 目標を達成するための”PDCFAサイクル”
【コラムジャンル】
OJT , PDCFA , PDCFAサイクル , ビジネススキル , 人材育成 , 内省 , 反省 , 問題解決 , 振り返り , 気づき , 永谷研一 , 目標達成 , 研修 , 第7回 , 習慣化 , 行動計画 , 講演依頼 , 連載
2016年11月08日
目標達成に向けた「気づき」を引き出すのに有効な「自分の行動を深く振り返る方法」をご紹介します。
様々な企業の新人教育、リーダーや幹部候補生の研修・育成などに関わってきた永谷研一氏。
研修やOJTなどの人材育成の施策が「やりっぱなし」になっている点が問題だと感じ、のべ12,000人の行動を分析して「目標達成」に向かって行動をしていくプロセスをモニタリング、データ分析することで改善方法を編み出すことに成功。
『目標達成に必要なのは根性論でも精神論でもなく、「技術(スキル)」である』
その理論を体系化したのが、“新しいPDCAの回し方”である「PDCFAサイクル」なのです。このコラムでは、仕事がデキる人は必ずやっているという、「目標を達成するための”PDCFAサイクル”」について、永谷研一氏に語っていただきます。
行動を深く振り返る(内省する)方法
経験から学べる人になる道筋が理解できたところで、目標達成に向けた「気づき」を引き出すのに有効な「自分の行動を深く振り返る(内省する)方法」を紹介しましょう。
行動を深く振り返るとは、「経験から学ぶためために、週一回、アクションプランの実践について300字程度の自己分析文章を書く」ことです。
文章にする理由は、自分を客観的に見つめることができ、他者からも見えるようになるからです。
大切なのは、自分に向けて書くこと
行動の内容を深く振り返る文章を書くにあたって大切なことは、誰かに向けてではなく、「自分に向けて書く」ということです。しかし多くのビジネスパーソンは「報告文章」を書く事に慣れてしまっています。上司など誰かに向かって書くことが多いのです。例えば、深みがなく気づきに繋がらない悪い例を上げましょう。
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振り返り
・2015/9/6
先週は商談が多くあって、忙しい日々でした。
気づいたこともあまり書けませんでした。すみません。
でも、今週は頑張りたいと思います。
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残念ながら、これでは何の自己分析にもなっていません。取り繕っているだけで、思考の深みがないのです。しかも、「すみません」と誰かに謝っています。人に向けて書いている時点で、内省ではありません。
行動を深く振り返るのに必要な「4つの要素」
行動を深く振り返るには、次の4つの要素を盛り込むとよいでしょう。
1)詳細な事実
アクションプランの実践について
・どこでいつ何があったのか
・自分はどう関わったのか
・結果的にどうなったのかという事実
を記述します。
たとえアクションプランが実践できなかったとしても、その周辺事項として具体的に何があったのかを振り返ります。
2)原因の分析
その事実(結果)が起きた原因を書きます。なぜ「できた」のか、どのような行動のどのような点がよかったのか、あるいは、なぜ「できなかったか」のか、どのような点が足りなくて、期待通りの結果にならなかったのかを分析します。
なぜ(Why)を繰り返すことで、根本原因が見えてきます。
3)本音の感情
その経験によって変化した自分の心を読み取ります。うれしい、悔しい、楽しい、悲しいなどの感情に正直に向かい合いましょう。自分の本当の心に触れることで、思考が深まっていきます。自分自身を客観視できる力を養成するためにも、まっすぐに自分を見つめて本音を書き記しましょう。
4)次なる行動
次なる行動とは、何かすごい行動を考えなければならないということではありません。
「同じようなことが起きたら、次はこんな工夫をしてみよう」という程度で十分です。
よりよい行動をするための創意工夫を書き記してください。