働き方・生き方
BUSINESS SKILLS COLUMN LIST ビジネススキル
永谷研一 Vol.8 他者との関係を見直し、フィードバックを取り入れる – 目標を達成するための”PDCFAサイクル”
【コラムジャンル】
OJT , PDCFA , PDCFAサイクル , チーム , ビジネススキル , 人材育成 , 問題解決 , 永谷研一 , 目標達成 , 研修 , 第8回 , 習慣化 , 行動計画 , 講演依頼 , 連載
2016年11月22日
目標達成における最大の敵は「孤独」です。それはどうしてでしょうか?その理由とチームの価値についても解説します。
様々な企業の新人教育、リーダーや幹部候補生の研修・育成などに関わってきた永谷研一氏。
研修やOJTなどの人材育成の施策が「やりっぱなし」になっている点が問題だと感じ、のべ12,000人の行動を分析して「目標達成」に向かって行動をしていくプロセスをモニタリング、データ分析することで改善方法を編み出すことに成功。
『目標達成に必要なのは根性論でも精神論でもなく、「技術(スキル)」である』
その理論を体系化したのが、“新しいPDCAの回し方”である「PDCFAサイクル」なのです。このコラムでは、仕事がデキる人は必ずやっているという、「目標を達成するための”PDCFAサイクル”」について、永谷研一氏に語っていただきます。
他者との関係を見直し、フィードバックを取り入れる
目標達成における最大の敵は「孤独」です。
孤軍奮闘では、そっとやめてしまっても誰も気づきませんし、他の人から影響を受けることができず、自分の考えに凝り固まってしまいがちです。
人の意見や視点を取り入れて、自分の行動に活かしていくことを「人から吸収する技術」といいます。
誰かに見られているだけで、行動は続けられる
たった一人で目標に立ち向かっているのでは、達成する確率は下がります。壁にぶつかって行動をやめてしまっても、誰からも何も言われないからです。このメルマガでも以前「アウトプットで見える化」を説明しましたが、その目的は「フィードバック」をもらいやすくするためなのです。
フィードバックとは、「相手の行動に良い影響を与えるための問いかけ(働きかけ)」です。
周りからの問いかけなどによって、ふだん自分では気づかないことに気づいて行動を変えていくことができます。
“自分の苦手な人”ほど、自分を成長させてくれる
ふつう、人は自分とは気の合わない苦手な人の意見を聞こうとはしないものです。
なぜなら、自分とは違う価値観を持っている人を避けようとする(認めたくない)気持ちがあるからです。しかし、あなたとは違う人生を送ってきた人と価値観が異なるのは当然のことです。むしろ、自分とは違う視点を持っているからこそ、自分に気づきを与えてくれて、大いに成長させてくれるのです。
また、自分と違う意見に無理にでも迎合せよということではありませんが、フィードバックを取り入れる際には、どんな意見でも受け入れようとする姿勢が大切なことを覚えておきましょう。
チームの価値は、相互フィードバックにあり
PDCFAサイクルにおけるチームの存在価値は、「個々の目標達成に周りが関わること」にあるといえます。
関わるとは、お互いにフィードバックし合うことであり、相手に気づきを与えていくということです。ただし、このチームの価値を享受するためには、前提となる条件があります。それは、何を言われても「ありがとう」と感謝する心をお互いに持つことです。
フィードバックでは、時には厳しい指南や苦言を率直に言われることもあります。そのとき、自分が怒ったり、無関心に振る舞ったりしたとしたら、相手は二度とフィードバックする気にはならないでしょう。
お互いに「言ってくれてありがとう」という感謝の気持ちが前提にあることによって、本気のフィードバックが継続し、結果的に目標達成に近づくことになるのです。
「ナナメの関係」を上手に活用する
フィードバックをもらう相手は、上司と部下といった「タテの関係」よりも、隣の部署の先輩など「ナナメの関係」の人のほうがよい場合もあります。
なぜなら、タテの関係だと「こうしろ!」というような指示命令になってしまうことが往々にしてあるからです。これでは自分の頭で考えることにならないので、そのときは動いても長続きすることはありません。
それに対して、仕事上、直接関係がないナナメの関係の人は、いい意味で無責任です。仕事の中身がわからないぶん、良い問いかけができるのです。
「お客さまの情報が足りないのでは?」
「○○さんに見てもらったら?」
「そのやり方に無理はないのかな?」
など、命令ではなく、問いかけ(質問)となるので、本人の気づきを引き出すきっかけを与えてくれることが期待できます。このような問いかけをヒントにして、自分の頭で考えて気づいた行動こそが自分のものとなり、続けることができるのです。