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中村義裕【第3回】日本語の乱れ(下) – 知ってるつもり?日本の伝統と文化~真の国際化は、自国の伝統と文化を知ることから始まる~
【コラムジャンル】
リベラルアーツ , 下 , 中村義裕 , 乱れ , 伝統 , 和製英語 , 国際化 , 始まる , 文化 , 日本 , 日本語 , 演劇評論家 , 知ってるつもり , 知る , 第3回 , 自国 , 連載
2015年04月08日
知ってるつもり?日本の伝統と文化~真の国際化は、自国の伝統と文化を知ることから始まる~
今、時間的にどんどん狭くなる地球で、海外で仕事をする機会が増えた皆さんも多いだろう。そのために、会社によっては語学の研修があり、入社の条件に英語のテストの点数が基準となっていたりする。
グローバル人材育成にかかせない、リベラルアーツ。「知ってるつもり?日本の伝統と文化」と題し、中村義裕氏に日本の伝統と文化について語っていただくコラムです。
地球の規模がどんどん進み、国際化が激しくなる中、私の専門分野の「演劇・芸能」を40年近く勉強してきたが、それ意外の「日本」のことを、あまりに知らないことに気づいた。世界と対等に付き合うためには、母国の歴史の上にすっくと立ち、「日本はどんな国なのか」を我々が知らなくては、「真の国際(グローバル)化」は始まらない。
「日本語の乱れ」(下)
今、時間的にどんどん狭くなる地球で、海外で仕事をする機会が増えた皆さんも多いだろう。 そのために、会社によっては語学の研修があり、入社の条件に英語のテストの点数が基準となっていたりする。
その一方で、日本人特有の柔軟性が、よくわからない「和製英語」を生み出しもした歴史がある。
それを使う時に、使う我々がしっかりと由来を認識していれば良いが、普段の生活の中で何気なく 使ってしまう「怪しい英語」が和製英語だったりすると、外国の人々にはさっぱり通じない場合が ある。
我々日本人の感性で造った「和製英語」をいくつかご紹介しよう。
「アイスキャンデー」、「アフターサービス」、「ガソリンスタンド」、「キーホルダー」、「サラリーマン」、「ジーパン」、「タオルケット」、「チアガール」、「バックミラー」、「ヘルスメーター」「ライブハウス」、「ワイシャツ」・・・。
意外に、英語だと思って使っているものがあるのではなかろうか。
私はこれらの言葉を頭から批判するつもりはない。理由は二つだ。一つは、明治維新後、わずか百数十年の間に、他国の言語を換骨奪胎し、自らのものとする柔軟性。もう一つは、古代の和歌に見られるような「言葉の創造性」だ。これらの歴史的な血が、「和製英語」を生み出した背景と考えられるからだ。
しかし、危険なのは、そうした言葉の「歴史」や「出自」を知らずに、無自覚に頭から信じてしまうことだ。そこは素直さ、とも取れるかもしれないが、いかにもという顔でこうした言葉を使っていると、一歩間違えると恥をかくことになる。ここだけを押さえておけば、「和製英語」をどういう場面で使えば良いのか、あるいはいけないのかの判断は言うまでもないことだ。
ただ、我々がこうして100以上の造語を持ち、歴史的に見ても豊かな言語能力を持っており、さらに「美しい日本語」「豊かな言語表現」の中で生きている、ということを改めてきちんと認識すれば、「和製英語」は怪しいものではなく、堂々と使えるものになるはずだ。
参考までに。「和製英語」の例示以外、私は日本語しか使わずにこの文章を書いている。
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