働き方・生き方

従来のビジネススタイルや価値観では生き抜くことが困難な時代。今、人々や企業に求められているのは新しい価値を生み出すこと。伸びやかかつ自由な発想で価値創造するための思考法について、ワークショップ＆セミナー形式で提供するイベントが2018年8月7日にTCフォーラム八重洲にて開催されました。

ノビテクマガジン倶楽部が主催する講演会の様子を毎回レポートいたします。

アイデアを生み出す「考具」のプロである加藤昌治氏と、新しい未来の創造をミッションに掲げるピョートル・フェリクス・グジバチ氏とが、価値創造のベースである思考法についてレクチャーしてくれました。

【第一部】「考具」ワークショップ

株式会社博報堂
加藤昌治氏

株式会社博報堂にてPR・戦略・企画立案・実施の実績を多数持つ加藤氏のワークショップでは、考えるための道具「考具」を使った思考法を参加者が体験。

「『選択肢をたくさん出す＋選ぶ』のが『考える』こと。アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせに過ぎず、自身の経験をもとにした選択肢をいかにたくさん生み出すかが大事」と加藤氏。

発想法「SCAMPER」やエジプトの象形文字を使った「死者の書」の使い方を伝授してくれました。「コンビニエンスストアの『からあげ』をもっと売りたい」とのお題に取り組んだ参加者はその効果と、誰でもアイデアパーソンになれる可能性を実感しました。

【第二部】講演 「価値創造を生みだす『思考法』とは？」

プロノイアグループ株式会社 代表取締役／モティファイ株式会社 取締役 チーフサイエンティスト
ピョートル・フェリクス・グジバチ氏

モルガン・スタンレー、グーグルなどを経て人材育成や組織開発、リーダーシップ開発の分野で活躍するピョートル氏による講演。

過去にドイツやアメリカで描かれた未来予想図を示し「この絵から気づいたことはありますか？」と問いかけた後、「過去に予想された未来と今の現実は全く違っている。我々には未来を予測することができない。目の前の事実にとらわれず、尖った未来を描いて」とアピール。

グーグルやフェイスブック、エアビーアンドビーなどがかつてビジネス界で非常識と揶揄されながらも大きなミッションを描き新しい価値観やライフスタイルを創造したように、今や私たち一人ひとりが自らのアイデアで世界にインパクトをもたらしていくことが可能であると熱く語りました｡

加藤氏とピョートル氏の軽快でユーモアあふれる語り口に引き込まれる参加者。両氏の問いかけに対し積極的に意見を発し、テーブルごとに分かれて行われたワークショップでは真剣かつ楽しみながら取り組んでいました。

【第三部】パネルディスカッション

ノビテクマガジン編集長の小谷をモデレーターに、「自分にしかできないことをどのように見つけてアイデアにまで落とし込めば良いか」「直感力とは」等をテーマにディスカッション。

「日本では成長過程で自己認識を深める機会を与えられていない。ひたすら生き、失敗しながら自分にしかできないことを探し続ける。選択肢を増やす経験を重ねて」（ピョートル氏）

「経験の蓄積から直感が生まれる」（加藤氏）。

「社員の気軽なトライを引き出すには」という参加者からの質問には

「理念だけで人は付いてこない。具体的な環境を変えるのが効果的。問いを具体的にする。例えば『最近良いことあった？』より『24時間以内にあった良いことは？』にした方が答えやすい」（加藤氏）

「どのように行動して欲しいかを考え、行動パターンを設計してあげる。ちょっとした工夫で環境は変えられる」（ピョートル氏）と答えていました。

参加者の感想

・「アイデア」と「企画」を区別してくださってクリアになりました。
・「何を大切にしている？」「人生の意味」など、自分への問いかけを忘れずにしたい。
・アイデアを出すための考え方、手順を教えていただけた。
・「未来は予測できない。発明できる」に共感した。未来は作ることが重要ですね。
・「考える」はスポーツと実感できました。
・自分の仕事が何年後にロボットに置き替わるのかを考えなければならないと思った。
・「わがままからイノベーションが生まれる」というのが印象的でした。
・時代が変わるスピードと、未来を予測してそなえておくことの重要性を改めて考えることができて良かった。

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