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MIRAI FORUM【第1回】組織は「未来を創る」ためにビジネスを行う – これからの日本を考える- Think about the future of Japan
【コラムジャンル】
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2018年07月09日
これからの日本を考える
2018年10月15日「世界最高のチームコンテスト」を開催。
「価値を生み出すための仕組み、それが「組織」です。」
今回ノビテクマガジンが組んだのは、現状維持を打破し新たな機会を生み出すコラボレーションの場「MIRAI FORUM」。同フォーラムのモデレーターを務めるピョートル・フェリクス・グジバチ氏を案内人として、次世代の組織のあり方、人事のあり方に関する最先端の情報をお届けします。
(※本記事は、2018年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
組織は「未来を創る」ためにビジネスを行う
2050年。今から30年後、社会はどのように変化しているだろうか。その時に求められるサービスや商品とは、どのようなものだろうか。
今、世界で急成長を遂げている企業は共通して“未来創造型”だ。たとえば『Tesla』『Google X』『SpaceX』『Mistletoe』『Uber』『Airbnb』など、これらの組織はいずれも大胆な変革目標を掲げ、世界や人類の抱える課題に真っ向から挑む。彼らはオンデマンド型の人材確保やコミュニティの設立、アルゴリズムの構築、外部資産の活用など、従来とは異なるやり方で圧倒的な成果や影響力を生み出す『飛躍型企業』と呼ばれるグローバルでミッションドリブン*な組織だ。
30年後に存在する組織は「生き残る」ためでも「変化に対応する」ためでもなく、「未来を創る」ためにビジネスを行い、そしてその在り方はより自律的かつ分散型の形になっているだろう。
*ミッション中心型
2050年の社会予測
2050年の社会では「各国の行政がサービスとなり国とサービスの垣根がなくなる」「人工知能が人間の知能を超える」「宇宙鉱業が新しい産業になる」「デジタル起業家が世界経済の70%以上を占める」「通貨がなくなる」「再生医療が健康と寿命を拡大する」などが予測できる。
このような激動の波を察知し、世界が変わるよりも早く、自らの手で「未来を創る」存在になるために、今、何が求められているのか。ビジネス的側面と人事的側面の両方からその解に迫りたい。
現状の日本企業と飛躍型企業との違い
価値を生み出すための仕組み、それが「組織」です。ミッションを明確にし、その価値を生み出す為にビジネスモデルや組織が作られます。そこでは、社員が貢献できるよう明確な行動パターン化(=文化)が必要です。しかし残念なことに現状の多くの日本企業ではミッションが不明確。組織づくりや文化づくりにも力を入れられていないように見受けられます。ここでは、そのような企業と2050年に活躍している飛躍型企業との違いについて考えてみましょう。
組織で人がパフォーマンスを発揮するのに必要なこと
まず大前提として、組織で人が最大のパフォーマンスを発揮するには「何をしても言っても否定されない」との心理的安全性が必要です。わからないことを「わからない」と正直に言える環境があれば、それだけで人はお互いを信頼できるようになります。「信頼」と似た言葉に「信用」がありますが私の中ではかなり意味の異なる言葉です。「ある物事が嘘偽りなく、間違っていないと受け入れられること」が「信用」で、「ある人や物事の存在に価値を感じ、尊重している」が「信頼」。後者の方が、より深く心のありように関わっています。「ああでもない、こうでもない」と思考を巡らせる必要のある「忖度」は脳に無駄なパワーを使わせます。人の集中力を高め、パフォーマンスを向上させるためには信頼感が欠かせないのです。
プロフィール
ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)
プロノイアグループ株式会社 代表取締役/モティファイ株式会社 取締役 チーフサイエンティスト
ポーランド生まれ。2000年に来日。ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、2011年Googleに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からグローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年独立して現職。 プロノイア社では、国内外の様々な企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティング・研修を行なう。モティファイは、社員とメンターが双方で使うユニークな人材育成プログラムや、働きやすい企業の環境づくりを支援する人事ソフトベンチャー。近著、『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(大和書房)、『Google流 疲れない働き方 やる気が発動し続ける「休息」の取り方』(SBクリエイティブ)がある。