働き方・生き方
HUMAN RESOURCE DEVELOPMENT 人材育成
MIRAI FORUM【第2回】あなたは上司に本音を言っていますか? – これからの日本を考える- Think about the future of Japan
【コラムジャンル】
about , FORUM , future , Japan , MIRAI , of , the , Think , あなた , グジバチ , これから , ピョートル , フェリクス , 上司 , 日本 , 本音 , 第2回 , 考える
2018年07月23日
これからの日本を考える
2018年10月15日「世界最高のチームコンテスト」を開催。
「心理的安全性を保つことで、部下は思い切りパワーを発揮できるのです。」
今回ノビテクマガジンが組んだのは、現状維持を打破し新たな機会を生み出すコラボレーションの場「MIRAI FORUM」。同フォーラムのモデレーターを務めるピョートル・フェリクス・グジバチ氏を案内人として、次世代の組織のあり方、人事のあり方に関する最先端の情報をお届けします。
(※本記事は、2018年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
あなたは上司に本音を言っていますか?
以前個人のFacebookアカウントを使って「あなたは上司に本音を言っていますか?」と約250人にアンケートをとったところ「上司には本音を言うべきではない」と考えている人が4分の1もいたのです。さらに「あなたは上司を信頼していますか?」に「NO」と答えた人が38%。これは憂うべき状況です。まずは上司の方から「何でも相談して」と常に一言添えることを心がけてみると良いかもしれません。
リスクが大きなチャンスになりえるのは心理的安全性があってこそ
信頼があることで飛躍的な成果を追い求めるためのリスクを取ることも可能になります。Wikipediaによると「リスク」の語源である古いイタリア語の「risicare」には「勇気をもって試みる」という意味があるそう。「危険そうだから」との理由でリスクの低いことを選んでも結局のところ利幅は少なく、生産性は上がりません。リスクは単なる危険ではなく、大きなチャンスにもなりえるのです。飛躍型の組織では「fail fast」、「fail forward」と、誰よりも速く失敗することが奨励されています。リスクを取ることで起こりえるプラス面、マイナス面を上司に伝え、サポートを得られれば、部下は安心して仕事に打ち込むことができ、リスクを取ることを恐れなくなります。つまり、どんな時もすぐに相談できる上司がいるという心理的安全性を保つことで、部下は思い切りパワーを発揮できるのです。
上司は部下に期待を明確に伝える
心理的安全性の強い組織では、失敗してもその失敗を全員で共有し「次はどうすれば良いか」「どのような仕組みにすれば良いか」とのプラスの方向に向けた話し合いができます。自己開示と建設的な話し合い、これが失敗した際に必要な要素なのです。
また、上司は部下への「期待」を具体的かつ明確に伝えることも重要です。多くの日本企業では役割と期待が不明確で、お互いの思いと頑張りがすれ違いがち。何をすれば評価されるかが明確にわかっていれば本人のモチベーションも上がりやすいでしょう。管理職の立場にある人は、最低限「あなたには〇〇を期待している」と部下に求める期待や役割をきちんと伝えてあげるようにすれば随分関係は変わってくるはずです。
table, th, td {border-collapse: collapse; border: 1px solid #ccc; line-height: 1.5;} table.hikaku{width:100%;} table.hikaku th { padding: 10px; font-weight: bold; vertical-align: top; background: #3f3f3f; color: #ffffff;} table.hikaku td {padding: 10px; vertical-align: top;} tr:nth-child(even) { background: #d9d9d9;}
現状の多くの日本企業 | 飛躍型企業 | |
---|---|---|
心理的安全性 | 忖度が多い | 「わからない」と言える |
上司との関係 | 本音を言わない | 本音を言える |
リスク | 信頼がないのでリスクを取れない | リスクを取れるだけの信頼がある |
役割と期待 | 曖昧 | 明確 |
失敗 | 誰かのせいにする | 開示して次につなげる |
プロフィール
ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)
プロノイアグループ株式会社 代表取締役/モティファイ株式会社 取締役 チーフサイエンティスト
ポーランド生まれ。2000年に来日。ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、2011年Googleに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からグローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年独立して現職。 プロノイア社では、国内外の様々な企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティング・研修を行なう。モティファイは、社員とメンターが双方で使うユニークな人材育成プログラムや、働きやすい企業の環境づくりを支援する人事ソフトベンチャー。近著、『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(大和書房)、『Google流 疲れない働き方 やる気が発動し続ける「休息」の取り方』(SBクリエイティブ)がある。