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正岡紀子【第1回】なんで”怒り“は発生するの? – ワンランク上の仕事をするためのアンガーマネジメント入門
ワンランク上の仕事をするためのアンガーマネジメント入門
「怒りは、自分が信じている「~べき」という価値観が裏切られた時に発動する自然な感情で、身を守るための防衛感情」
読者アンケートによると、皆さんが日ごろイライラしがちなシーンは『職場の人間関係』であることが判明。今回はアンガ―マネジメントのエキスパートをお招きして、WEB上研修を開講します!
櫻井健司 ≫ 写真 村上杏奈 ≫ 文
(※本記事は、2016年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。所属・肩書・固有名詞は当時のものです。)
講師プロフィール
正岡紀子
同志社大学経済学部卒業後、日本航空株式会社に入社。4年間渡米(ニューヨーク)し、帰国後は都市銀行入行。その後、企業研修講師として独立、オフィスオランジェを設立。旅行が好きで、世界50ヶ国を訪問し、世界のサービスを体験している。オフィスオランジェ代表、企業研修コンサルタント、PHP研究所認定上級ビジネスコーチ、JCDA認定キャリアカウンセラー、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会シニアファシリテーター。
なんで”怒り“は発生するの?
怒りは、自分が信じている「~べき」という価値観が裏切られた時に発動する自然な感情で、身を守るための防衛感情でもあります。人によっては伝達手段のひとつでもありますが、怒ることで伝わりにくくなることもあります。
また怒りは二次感情であり、「悲しい」「ツライ」などのネガティブな一次感情がたまっていくと発動しやすくなります。
アンガーマネジメントって?
アンガーマネジメントとは、怒る必要のあることには上手に怒り、怒る必要のないことには怒らないようになることです。
1970年代にアメリカで生まれた心理トレーニングで、アメリカでは政治家、経営者、俳優、スポーツ選手など様々な職業の人たちが学んでいます。怒りの感情をコントロールすることで余計なトラブルやダメージを防ぎ、ポジティブな方向へエネルギーを向けることのできるこの方法は、現在では世界各国へ広がっています。日本では2008年に入ってきた考え方で、現在では多くの企業研修に取り入れられるようになり、文部科学省では「感情理解教育」と翻訳され、小中学校や教育委員会など教育現場への導入も始まっています。
この怒りは要注意!
怒るべきものと怒る必要のないものとの区別ができない時、怒りの感情は問題となります。教師の体罰や恋人のストーカー化なども怒りをコントロールできなかったゆえのものです。
問題となる怒りには次のものがあげられます。
◆強度が高い 一度怒ると止まらない、強く怒り過ぎる
◆持続性がある 根に持つ、長引いて恨みになる
◆頻度が高い しょっちゅうイライラする、カチンとくる
◆攻撃性がある 他人や自分を傷つける、物を壊す
今日から実践できるアンガーマネジメントの3つの暗号
(1)怒りのピーク
怒りのピークは6秒間。この間に反射的に怒鳴ったり攻撃的な言い方をしたりしないことが大切。何かに意識を向けたり、深呼吸したり、数を数えてみたり、自分だけの合言葉(「私は天使~♪」「大丈夫!」など)を唱える。また、小さい怒りは1点、人生最大の怒りを10点として怒りを10段階にレベル分けすると自分の怒りを客観的に捉え、傾向を知ることができる。イラっとしたら「『大丈夫!』、5点!」などと心の中でつぶやく間に6秒が経ち、怒りのピークも過ぎ去る。
(2)3つの基準に分ける
相手の行動を「①全く問題ないこと②少しイラっとするが許せること③許せないこと」の3つの基準に分ける。①と②の場合は相手から物理的に離れたり気をそらしたりしてスルー。③の場合は次のステップへ。
(3)コントロール可能か、重要か
その出来事や相手を「コントロール可能」か「コントロール不可能」の二つの軸に分類し、さらに「重要なこと」「重要でないこと」に分ける。コントロール可能で重要なことなら「いつ、どのように、どの程度変えられるか」を考え、重要だけど変えられないことは、受け入れる方向で考えつつ、少しでもストレスが減る現実的な工夫を考えて。重要でないことは、放っておくか余力があれば取り組むのが現実的。
POINT!!
相手を変えるのではなく、自分の捉え方を変えることがアンガーマネジメントの考え方の基本。
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