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森川涼平【第2回】信頼のおける外見とは? – 任せたいと思われるビジネス外見力
高級時計を購入する店舗はどの店を選びますか?信頼につながっていく外見力を学びましょう。
人は見た目が○割という言葉があるように、ビジネスの成果を左右する外見の正体。ルックスクリエーターの森川涼平氏による「任せたいと思われるビジネス外見力」の連載コラムです。
外見の細部を徹底的に観察し、外見のマネジメントをすることは重要
新しい高価な時計(仮に1か月の収入額と同じ金額としましょう)を購入しようと時計の売られている店舗に向かうことを想像してください。 あなたは、どちらの店舗で購入を検討しますか?
①量販店のように、多くのブランドの時計が並び、人の行きかいの多い場所で、ジャケット・スーツ姿ではないスタッフに立たされたまま接客される店舗
②欲しいブランドの時計専門店に向かい、落ち着いた空間で、丁寧に個別のソファ席に案内され、そのブランドの時計を身につけて正装されているスタッフの店舗
価格に差がないことを考えれば、②の店舗を選ばれる方がほとんどだと思います。売られている時計は同じです。商品自体の質は同じはずです。それでも、購入者側は②の店舗で購入されるほうが多い。 その理由は、「店舗空間が高価な商品を並べるのに相応しい質の高い空間(インテリア・内装・ショウケース・絨毯・照明等)」「販売員の上質な正装(高価商品に相応しい服装・髪型・礼儀作法・身につけている時計・接客動作等)」が高価な商品の価値に見合う外見をしているからです。
外見の正体
外見の正体とは「視覚で捉えられる全て」です。この場合、購入者はこういった外見の細部を本能的に視覚で捉えその物の価値を感覚的に評価判断します。これが、人間関係の場合(商談・プレゼン・会議の場等)、相手の外見の細部を本能的に捉え、「この人を信頼していいのか」「任せていいのか」という判断評価に影響を与えます。
※外見の細部を観察し、改善した事例を見てみましょう。
A B
外資系金融機関にお勤めの営業職のかた、どちらのほうが「外見的な印象雰囲気」が良く見えますか、あるいは信頼できそうですか。どの外見の細部に注目すると良いか。他人を評価判断する際(商談・プレゼン・会議・会話等)に感覚的にどの外見細部に注目しているかをお伝えします。 この人物の場合、以下の項目に着目してもう一度みてください。 「服装の色・艶・服装同士の色のコントラスト」 「姿勢・動き」 「顔の表情・顔の肌艶・肌の色合いの見え方」 「相手の目線から見た時の背景の空間色」
A B
この写真をお見せすると、約9割以上の人がBのほうが「より信頼を感じる」と答えられました。
「服装の色・艶・服装同士の色のコントラスト」からみていきましょう。 Aはネクタイの色がさし色となって目立ってしまいます。スーツは黒に近い色で、艶っぽさはあまりありません。Bは、スーツがダークネイビーで、ネクタイもダークグリーンですので、色目立ちしすぎず、服装同士のコントラストは落ち着いたように見えます。また、BのスーツにはAよりも自然な艶があります。艶のあるスーツのほうが、より「信頼」を与えやすいです。
「姿勢・動き」に関しては、Aは仁王立ちのように真正面に向いていますので、相手からすると少し「威圧感」を感じてしまいます。
「顔の表情・肌艶・肌の色合いの見え方」では、Bの表情は目元と口元が本当の笑顔の表情になっています。さらに、額と頬部分に艶がでており、健康的で健全な様子が「信頼感」を与えています。肌の色合いも、Aは赤っぽく影も多いですので、健康的には見えにくいのです。
「背景空間の色」に着目すると、Bはダークブラウンです。色彩心理でいうと、ダークブラウンは「落ち着き・信頼・高級感」といった印象雰囲気を与えます。
こういった細部の外見の違いの総合評価として「Bのほうが信頼しやすい」という評価判断がされます。 商談・プレゼン・会議に留まらず、人との関わりを持つシーンで、望ましい結果を得るには、相手からどう自分を「評価・判断」されるのかが、重要になってまいります。その点において、外見の細部を観察し、外見のマネジメントをしていくことは重要なのです。
任せたいと思われるビジネス外見力(了)
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