働き方・生き方

倉島　麻帆（くらしま　まほ）

研修スピーチコンサルタント/フリーアナウンサー。
大学卒業後、大和証券に入社し、投資相談課に配属。その後NHKに番組ディレクター兼キャスターとして勤務し、2008年、株式会社スマイルボイスを設立し、代表取締役に就任。ビジネスマナー研修、接遇研修等の人材育成・研修を年間100本以上行っている。また過去の実績として東洋経済新報社主催「グローバル経営戦略フォーラム」をはじめ、一部上場企業経営者の講演司会、NHKラジオ等、アナウンサー事業を行う。著書に『CD BOOK〈引きつける〉話し方が身につく本～声・言葉・印象がもっと魅力的に変わる！～』(明日香出版社)他、多数。

春は、新しい部署に配属されるなど、人との出会いが多くなる季節ですね。私が新卒で入った会社は大和証券でした。新人の仕事は新規開拓です。顧客リストにひたすら電話をかけ、話を聞いてくれた人には手書きのハガキを送り、成績上位者として社内表彰を受けることが出来ました。春になると懐かしく思い出します。

上司や先輩たちとも仲良く、とても楽しい会社員生活だったのですが、学生時代からの希望だったアナウンサーになる夢をあきらめきれず、やむなく退職。オーディションを受け、アナウンサーの仕事を始めました。NHKに入り、ディレクター兼DJとして番組制作も行いました。同僚のディレクターと結婚することになり、寿退社しましたが、なんと結婚直後に夫がリストラされ、失業！ 「結婚＝安定」と思っていた私はとてもショックで落ち込みました。しかしピンチはチャンス。これを機会に改めて自分の想いを棚卸ししてみると、NHK時代から行っていた講演や研修を仕事にしたいということに気づくことができ、生き方を変えたのです。

その後、起業をし、本も出版。講師の仕事が増え始めました。そうしたら、100倍楽しい世界が広がっていたのです。アナウンサーは癒しを与えられるかもしれませんが、人の成長に関わるお手伝いができる講師の仕事に、今、この上ない喜びを感じています。

私が大切にしているのは「笑顔」。研修コンテンツの「笑顔研修」はご好評をいただいています。笑顔研修を始めてびっくりしたのは、自分に自信のない人が多いということです。研修受講者に「自分の笑顔が好きな人！」と聞いたら、40人いる中で、一人しか手を挙げませんでした。挙げた人も周りが挙げてないので、キョロキョロ、パタッと手を下ろしてしまう状況…。

アナウンサーやタレントの世界は、「自分が大好き」「自分は素敵」と思っている人たちの集まりです。TVディレクターに「どういう人がオーディションに受かりますか？」と聞いたら、「一番セルフイメージが高い人」という答えが返ってきました。そうでなければ、カメラの前でニッコリし、堂々と話すことはできません。

私の研修では、特に自分に自信をつけ、セルフイメージを上げて話し上手になることに重点を置いています。そうすることで、人前であがってしまう、表情が硬くなる、モゴモゴ声が小さくなってしまう、という人も、自分が好きになり、堂々と笑顔で話せるようになります。仕事にも自信がついて、楽しくなり、職場も活性化することができるのです。

人と企業、そして世の中を笑顔で元気にしたい‥、そんな想いで日々、研修を行っています。いつかあなたの笑顔にお会いできる日を楽しみにしています！

（※本記事は、2016年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。）

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