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清水隆行【第2回】指導者に求められるのは信頼関係を築く力 – 勇気をもって変化する – ノビテクマガジン イチオシ講師
【コラムジャンル】
イチオシ , する , ノビテクマガジン , もって , 信頼 , 力 , 勇気 , 変化 , 指導者 , 求められる , 清水隆行 , 第2回 , 築く , 講師 , 関係
2019年03月11日
対談:伸びる人材と伸び悩む人材
「技術よりも、お互いに意見を交わせるだけの信頼関係を作ることが重要」
清水隆行氏は、読売ジャイアンツで2年連続打率3割を記録し、攻撃型二番打者としてリーグ優勝、そして日本一に大きく貢献した。ベストナイン受賞の元野球選手。引退後、読売ジャイアンツの一軍二軍の打撃コーチをはじめ、2018年野球日本代表侍ジャパンU-15の監督や野球解説者として活躍している。プロ野球の第一線で活躍し続けるには、並々ならぬ努力や、それを支えるモチベーション、探究心があったに違いない。かねてから親交のある株式会社ノビテク代表取締役の大林伸安が清水氏に、成長するための秘訣を聞いてみた。
後藤武樹 ≫ 文 佐々木信行 ≫ 写真
(※本記事は、2019年1月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。所属・肩書・固有名詞は当時のものです。)
講師紹介
清水隆行
浦和学院高等学校から東洋大学へ進学。1995年度ドラフト会議にて読売ジャイアンツへ入団。ルーキーながら安定した打率を叩き出し、レギュラーに定着。2000年にはリーグ優勝と日本一に貢献する。ベストナイン、最多安打などの輝かしい成績を収め、2009年に惜しまれつつ引退。その後、読売ジャイアンツのコーチを経て、2018U-15監督に就任。指導者としても力を発揮している。
大林伸安
株式会社ノビテク 代表取締役。人の成長を促し、組織の活性化を促進させる“やれる気請負人”。英国国立ウェールズ大学大学院経営学修了(MBA)。「仕事を楽しむ人材づくりと仕事を楽しくする会社づくり」をミッションステートメントとして、人材教育事業を展開。日本一の規模である研修プロジェクトを講師側総責任者としてプロデュースし、完遂させた実績を持つ研修のトータルプロデューサー。大手企業から中小企業の経営幹部、新入社員や内定者まで、年間120回を超える研修や講演を行っている。人材育成の現場を熟知しているからこそのメッセージを伝えることができる。
指導者に求められるのは信頼関係を築く力
引退後、清水さんはコーチや監督も務められていますが、選手を指導する上で気をつけていたことはなんですか。
よく選手を観察するよう心がけていました。
技術よりも、お互いに意見を交わせるだけの信頼関係を作ることが重要です。私も現役時代、自分を見てくれているかどうか分からない人にアドバイスをもらっても、素直に聞けない時がありました。
ですから、選手と信頼関係を築き、個性に合わせて指導したり、時には趣味の話で和ませたりといったことを意識していました。
ビジネスでは毎年新人が入社してきます。新人には教えてあげることが重要ですが、教え続けると指示待ち型になってしまう。そうならないためにも、成熟度が上がってきたらティーチングからコーチングに変え、考えるクセをつける必要があるんです。
どのタイミングで、ティーチングからコーチングに変えるかなど、観察していないとタイミングがわからないので、観察の重要性はよくわかります。
否定的ではなく、ポジティブな言葉に言い換えるとうまくいきます。(清水)
部下の成長に合わせ、ティーチングからコーチングへ変えることが大事ですね。(大林)
自分自身で考えるクセを持ってもらうことは重要ですよね。
プロ野球は24時間、チームで動いていますが、必ず隙間時間があります。その時間をいかに自分で考えて使うかが、とても大事です。また、私は指導者として選手に伝える際に、「しない」ではなく「する」に変換して伝えることを意識していました。「しない」という否定的な言葉を使うと、動けなくなることがあるんです。
例えば「低めのボールは打つな」と言われると、甘いボールにまで手が出なくなる。同じ意味でも、「高めのボールは打とう」と言い換えると、積極的に打ちにいくことができます。
言葉の力は大きいというわけですね、本日はいろいろと人材育成の参考になるお話を、ありがとうございました。
清水さんに聞く!一問一答
Q.
人が成長するための秘訣を教えてください。
A.
まずは客観的に自分の“現在地”を分析し、自分のなりたい目標を設定します。
その目標から逆算することで、自ずと今すべきことが明らかになるので、それを無我夢中で行うことが大切です。また、その道のトッププロと言われる人の目線の高さを知り、自分のできて当たり前のレベルを上げていくことも重要だと思っています。
やっているけれどなんだか苦しい時は、今までの方法ではうまくいかないという証拠です。その時は勇気を持って何かしら変えてみることです。新しいことは大抵うまくいきませんし、すぐに結果は出ないと思いますが、トライ&エラーでとにかく量をやってみて、ダメなら変える、良いところは伸ばす。その繰り返しで、常に自らを変化させる意識が重要だと思います。変わらないと、結果も変わりません。変わることはリスクもありますが、得るものも必ずあります。
Q.
指導者として気をつけるべきこと、人を育てる時に大事なことはなんですか。
A.
選手や部下のことを「興味をもって」知ろうとすることがとても大切です。
よく相手を観察し、どういう個性を持っているのかを見抜くこと。そして、その個性に合わせて接し方を変えることが重要です。また、アドバイスなどの指導をする際には、ある程度確信をもった時に言った方がいいと思います。「こないだはこう言ったけど、やっぱりこれじゃないな」と指導者や上司から言われると、選手や部下は混乱してしまうので。
そしてこれらすべての鍵となるのは、良好な人間関係を築くことですね。指導者と選手の関係性は選手の成長に大きく影響します。
清水隆行 – 勇気をもって変化する – ノビテクマガジン イチオシ講師(了)
講師への講演依頼はノビテクビジネスタレントで!
現役引退後は、読売ジャイアンツのコーチを務めた他、
野球解説者、スポーツコメンテーターとして活躍中。元プロ野球選手、野球解説者、スポーツコメンテーター
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