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MANAGEMENT AND BUSINESS マネジメント・経営
ジム・バグノーラ【第2回】リーダーシップはフォロアーとのパートナーシップである – ビジネスと人生を豊かにするリーダーシップ
ビジネスと人生を豊かにするリーダーシップ
~Leading is Everybody’s Business~
日本文化的土壌の下で、どうすれば平等的リーダーシップが醸成できるだろうか?
そのためには、リーダーシップに関して、3つの新しい視点を身につける必要がある。
世界でも600人ほどのプロ講演家にしか与えられていない資格「公認講演プロフェッショナル(CSP)」資格を取得し、2007年から2010年の「世界のリーダーシップ・プロフェッショナル・トップ30」のリストにも選出されているジム・バグノーラ氏。
彼は、25年以上にわたり、世界中でリーダーシップ、ストレスマネジメント、顧客サービス、コーチング、変化といった話題について、心と体の繋がりという観点から講演、コーチ、教育しており、リーダーシップと心と体のマネジメントの専門家です。彼は特に、健康、幸福、成功、指導力に対する思考パターンの影響を重視しており、彼の焦点は「人生のプロフェッショナル」を育てること。そんなジム・バグノーラ氏に今回は、リーダーシップについて語っていただいた。
(意訳:藤井義彦 氏)
リーダーシップはフォロアーとのパートナーシップである。
私が提唱する「Leading is Everybody’s Business」というコンセプトは、平等的スタイルに近いが、前回紹介した
●独裁的/官僚的/カリスマ的リーダーシップ
●民主的/参加型/自由放任的リーダーシップ
●人間関係重視型/サーバント リーダーシップ/EQリーダーシップ
●変革型リーダーシップ
等々。
のいくつかの選択肢を包合している。
日本文化の中でこのコンセプトが採用されることを想定すると、文化的価値観を尊びつつも世界標準に合致するために若干の調整を行う必要があろう。日本文化的土壌の下で、どうすれば平等的リーダーシップが醸成できるだろうか?
そのためには、リーダーシップに関して、下記の3つの新しい視点を身につける必要がある。
設問①:[それがなければリーダーになりえない、大切なものは何だろうか?]
正解はフォロアー(追随者・信奉者)である。他人やグループをリードしたくてもフォロアーがいなければリーダーにはなり得ない。『どうすれば偉大なリーダーになれるだろうか?」ではなく「どうすれば周りが喜んでついてきてくれるだろうか?」を考え、そのためにスキルと人間性を高めることである。
設問 ② :「人がフォローするのは、職位や肩書か? それとも人か?」
人々は職位や肩書を尊重はするが、それについていくわけではない。職位は人々がついてくることを保証しないし、リーダーシップが授与されるわけでもない。フォロアーを作るには卓越した人間関係構築力が必要だ。如何に信頼関係を結ぶかに尽きる。
設問③ :「リーダーシップとはリーダーとファロアーのパートナーシップである」。
リーダーシップとはリーダーだけの話ではない。フォロアーなしではリーダーは何もできない。リーダーシップはいいかえればパートナーシップである。目の前のプロジェクト完遂のために双方が責任を分担するのだ。
50:50ルール
ここで私は「50:50ルール」を提唱したい。
組織としての結果を出すことの責任の大半はマネジメント・上司にあると考えがちだ。最終的にはマネジメントが最終の責任を負うとしても、「50:50ルール」はマネジメントと担当者に同等の責任を分担させる。担当者も主体性を持って、50%の責任を負担する必要がある。
マネージャーは組織から権限と職位を与えられ、部下を育成する責任を持つ。マネジャーは即ちコーチなのだ。マネジャーはフォロア―たちから、リードすることの承認を得て初めてリーダーになれる。リードするとは、人と人との関係性だ。部下がマネジャーにリードすることの承認を与えると、部下はフォロアーとなり、より積極的な部下となる。積極的な部下ははるかに生産性が高い。
生産性はリーダーシップに基づき、リーダーシップはフォロアーシップに基づき、フォロアーシップは人間関係に基づき、人間関係は信頼関係に基づく。
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グローバルな視点でのリーダーシップの講演ができるリーダーシップ・グレープ・インターナショナル会長
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