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関口由紀【第16回】意識が変わると行動が変わる!? 最近の新入社員研修で心掛けていること – 研修講師リレーコラム
関口由紀プロフィール
関口 由紀(せきぐち ゆき)
研修講師。
大学在学中からナレーターやMCの仕事で全国を飛び回る。29歳の時、大きなトランジションが起こり、企業研修講師になる。新入社員からマネジメント層まで、「伝えること」「引き出すこと」を軸にした内容で研修を多数実施。実務に近い内容で、一人一人の自走する力が引き出せるような参加型の研修が特徴。
意識が変わると行動が変わる!? 最近の新入社員研修で心掛けていること
いつの時代においても新入社員は職場の上司や先輩方にとって「宇宙人だ!」「新人類だ!」「やっぱりゆとりだね!」と、表現は違えどもなかなか理解できない存在なのではないでしょうか?
最近の新入社員の方々は、皆さん非常に優秀です。しかし、「他者より突出することを避けたい」「正解は何だろう」と考える傾向が強いように感じます。「お利口さんな振る舞い」が身についていて、この場面ではこう振る舞うといいんだよねといったパターンを持っているようにも思えます。
例えば、研修の前半でグループワークやディスカッションを行う際の様子を見ていると、ほとんどのグループがグループ内で役割を決めてからスタートし、さらに「はい!」と勢いよく手が挙がって「自分はタイムキーパーをやります!」「じゃあ、私は書記を…」と、“ 何らかの役割は担ったほうが良いが目立ちすぎる役割は避けたい?という心理が働いた行動が繰り広げられます。いいとこどりの安全パイの選択が彼らの行動の中心にあるのです。
では、新入社員の方々が安全パイの選択という行動から抜け出せるようにするためにはどうすればいいのでしょうか?私が新入社員研修で心掛けていることをお話しします。
私は、新入社員研修はマインドセットにしっかり時間をかけることが大事だと考えています。例えば、「社会人って学生と何が違うのだろう?」ということを、いくつかの項目を切り口に考えてもらいながら、意識の切り替えを行います。
大事なポイントは、各項目で考えた内容と、研修で学ぶ内容をしっかりと関連づけてあげることです。これにより、学ぶ目的が明確になると同時に、社会人としての意識が醸成されます。また、行動に変化を起こすために、「それはどのように行動する事ですか?」「具体的には何をすることなの?」と質問を投げかけ、自分の行動へ落とし込みができるようにもしています。
例えば、「時間」という切り口で「社会人」を考えてもらうと、「有効に時間を使う」といった言葉が良く出てきます。そこで、「有効に使うってどんな使い方ですか?」「何を意識して使うのですか?」「この研修で時間を有効に使うとすると何ができますか?」と質問し、自分事レベルまで落とし込んで考えてもらいます。そうすることで、行動に変化が生まれやすいのです。
思考に?が生まれるとなかなか行動に変化が見られません。「なるほど、そうか!」と思ってもらえることが行動変容の鍵だと感じています。
(※本記事は、2018年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)